映画「天才スピヴェット」が気に入りすぎて、原作を読んでみた。
またこんな大著を手に取ってしまった・・・というのが第一印象。大判で400ページになんなんとするボリュームである。横組みで、科学イラスト的な挿絵(著者描く)がちりばめられている。それは、モンタナの牧場に住む12歳の少年スピヴェット君がことあるごとに描き連ねているという設定なのである。
映画では「400年間動き続ける半永久機関を発明した10歳の天才少年」だが、原作では詳密で表現豊かな科学イラストが認められたとなっており、いわゆる天才というよりはきらめく感受性を持った少年ということなので、より現実味があると言える。
他にも細かい部分は(もちろん)違いつつ、映画と同じように物語は進む。ただし丹念に、饒舌に。
T.S.は「テカムセ・スパロー」の頭文字なんだけど、ネイティブ・アメリカンの血を引くわけではなかった。(名前を拝借しただけ)
ドクター・クレア(お母さん)の意外な一面。(移動中の大半を占める挿入小説)
映画の時にはあまり考えなかったけど、「ホーボー(無賃乗車の放浪者)は今もいる」らしい描写。
などなど、映画を観ていて、この辺もっと語られたら面白かったかも、という部分はちゃんと書かれていた。特に母の思い、父の思いが深く迫って胸を打つ。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ヒューマン
- 感想投稿日 : 2019年7月1日
- 読了日 : 2017年9月4日
- 本棚登録日 : 2017年9月4日
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