副題にあるような「仏教宗派の謎」というものでもないように思うけど、日本における仏教宗派の成立、歴史と現在のポジションを概観する本。
浄土真宗はなぜ日本でいちばん多いのか (幻冬舎新書)
いわゆる南都六宗から天台・真言、浄土系、禅系、日蓮と現代に通じる宗派にももちろん一通り触れられていて、それぞれの開祖や中興の祖のエピソードも添えられている。仏教って何?くらいの単純な関心を抱いて読むオレなんかにはありがたい内容である。
新書ということで話をかいつまんであるだけに、その業界地図や変遷はかえってわかりやすくなっている。偉い開祖が亡くなると、宗派も千々に分かれて乱れ再習合していく様子も、いたって人間くさくて面白いのである。
浄土真宗がどちらかと言えば庶民の宗教であり、葬式仏教化の中でもシンプルかつわかりやすいこと等が日本で「いちばん多い」理由であることも大いに納得できる。
なお著者については、オウム関連で若干批判があることは、内容の是非はともかく知って読んだ方がいいかも知れない。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
宗教
- 感想投稿日 : 2019年6月18日
- 読了日 : 2012年7月26日
- 本棚登録日 : 2012年7月26日
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