映画「ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち」の原作。
映画の原作を読んでみるシリーズですな。

著者は、なんでも古写真(ポストカード?)の蒐集家だそうで、宙に浮く少女とか、仮面をかぶった双子とか、犬の顔んところに人間の顔を当てはめたり、といった妙な細工がされた写真からイメージを膨らませてこのファンタジー小説を組み立てたとのこと。

前半は、映画でも(一部キャラの能力とかに異同はありつつ)原作を忠実に再現しているようだけど、後半には目に見えてお話がズレてくる。あれれ?と思ったら、この本だけでは完結していないらしい。(続編が2つほど出ているらしい)

ミス・ペレグリンは(今のところ)エヴァ・グレーンみたくキリリっとした姐御風ではない。「ループ」の構造(現在とのつながり)とか、「ワイトとホローガスト」の関係とかはようやく分かった。

2019年10月16日

スウィングジャズのスゴイ人、ベニイ・グッドマンの人生と演奏を借りた、チャーミングなラブストーリー。

恋人(妻)のアリス役(ドナ・リード)は、コケッティッシュな美人でとても魅力的。

音楽のチカラも描き出していて痛快だが、惜しむらくは主役スティーヴ・アレンがクラリネットを演奏しているようには見えないこと(頑張ってるし、仕方ないんだけど)。一方、トランペット、ピアノ、ビブラフォンなどは本人出演で実際に演奏しているようで、至芸を目の当たりにすることができる。

チャーミングなラブストーリーなので、事実関係はやや端折られている。ただ無視はできなかったようで、「改名した方が?」とか、お袋さんの「ベーグルとキャビアは合わない」といった断片的な台詞にその辺の事情が垣間見られる。

また実際アリスの弟は、人種差別へのレジスタンスを真剣に行った人のようだ。

・・・てなことは見終わったあとでWikipediaとかで知ったんだけど、登場人物たちのリンクを次々辿るだけでも、尽きない面白さがある。

2019年7月6日

シドニー・ルメット監督、1957年、アメリカ。

ある殺人事件を巡って、12人の陪審員たちが評議を始める。全員一致で「有罪」ならば、犯人とされる青年は死刑宣告を受ける。陪審制度の「正義」とは何かを描く。

事件の背後にある「事実」をあぶり出す話なのかなと思っていたんだけど、そうではなく、裁判の疑義を浮かび上がらせる話だった。つまり、「疑わしき」を有罪にしてはいけない、ということである。

密室と、名も知らぬ同士の12人の男(女性は出てこない)。不思議な連帯と反目があり、底には一定の緊張感が流れる。

そして侃々諤々の議論の末、最初ただ一人だった「無罪」の意見は、ついに全員一致の結末を見る。

さてしかし、殺人は事実行われ、犯人は紛れもなくその青年だったかも知れない。そこが悩ましいところで、とにかく最初に疑義を指摘した一人(ヘンリー・フォンダ)の勝利では決してないのである。

お話は一応すっきりと収まって終わる。だけど後味はすっきりでは終わらない。

*

犯人役の青年は、冒頭に一瞬出て来て目だけの演技をするんだけど、これがなかなかイイ。

2018年12月17日

読書状況 観終わった [2018年12月17日]
カテゴリ 映画
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デヴィッド・フィンチャー監督、1995年、アメリカ。

ブラピとモーガン・フリーマンの刑事ドラマ。

このロクでもない愛すべき世界で発生した、「人間の7つの大罪」(高慢・貪欲・嫉妬・怒り・色欲・貪食・怠惰)に基づく連続猟奇殺人事件(サイコパスによる犯行)と、その犯人を追う二人の刑事。一人は新任で血気は盛んな若者であり、一人は定年間近(話の途中で定年期日を迎えるんだったかな?)のベテランであり、二人の温度差が遠のいたり近づいたりする。

サイコパスは7つの罪を忌み、それを「裁く」のだが、では司法の側には、なにものかを裁く権利はあるのか。その辺がお話のテーマになっている。

ラストはあーあ、やっぱり・・・という感じ。

次第に無力感に囚われ、この社会を救う意欲を無くし、投げやりな気持ちになっていく老刑事に、若い刑事が「どうでもいいから辞めるのか。辞めるからどうでもいいのではないか」と突きつけるシーンが印象的であった。

「12モンキーズ」を観た時にはブラピ凄演、と思ったけど、あの情緒不安定演技はひょっとして地なのかしらん?

2018年11月23日

ティム・バートン監督、2016年、アメリカ。

どうも、こういうファンタジーが好きみたいだ^^;

始めホラーコメディかと思い、だんだん「夢落ち」系の(現実には起こっていない)ダークファンタジーかと思い、結局なかなか痛快な冒険譚・友情譚になっていく。

エヴァ・グリーン(ミス・ペレグリン)の大きな目、サミュエル・ジャクソン(敵の魔物)の怪演などに目を惹かれるし、「奇妙なこどもたち」もTVで予告編を見た時には「何じゃそりゃ」としか思わなかったのに、けっこう魅力的に造られている。かなり気に入った(笑)。

1943年(物語の主な舞台)や「ループ」と現在の位置関係がだんだんわからなくなってくるなど、ちょっとストーリー的に「迷子」になりそうなのは確か。

2018年8月15日

黒澤明監督、1985年、日本。

黒澤映画の金字塔のひとつ。ある戦国武将が、ふとトシを感じて、3人の息子に家督や城を譲るが、3人は父への思いやそれぞれの思惑があり、非業なラストに向けて走り始める。

乱とは、乱世・乱心などの意味もあろうけれども、人の心の不如意さ、ちぐはぐさを表しているのかも知れない。

仲代達矢が何と言っても凄演(ちょっと舞台的というか、演技しすぎのキライがないでもない)。あと、原田美枝子(長男の正室)がよかった。ピーターは案外だった。

武満徹の音楽も確かにいい。

2018年8月14日

読書状況 観終わった [2018年8月14日]
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ロン・ハワード監督、2001年、アメリカ。

ゲーム理論やナッシュ均衡という言葉で一般には知られている数学者、ジョン・ナッシュ氏の伝記映画。

優れた数学的才能を持ち、念願叶って入った研究所で「数学界最大の難問」に取り組むうち、やがてソ連のスパイが雑誌や新聞に暗号を組み込んでいる、という幻覚に取り憑かれるようになる。統合失調症であった。それを乗り越えて行くヒューマン・ドラマでもあり、献身的に尽力した妻との愛の物語でもある。

映画上、迫真の幻覚(統合失調の症状)と現実との境目がないために、観ている我々もちょっと存在のあやふやさというか、妙な気分になる映画であった。存命中(当時)の著名人をよく扱ったな(なかなか難しいプロセスだったろうな)、とも思う。

病気を乗り越え、ナッシュ氏は1994年にノーベル経済学賞を受賞している。

2018年7月21日

読書状況 観終わった [2018年7月21日]
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滝田洋二郎監督、2008年、日本。

所属していたオーケストラが解散してしまい、たまたま、それと知らずに飛び込んだ新しい仕事が「納棺師」だった・・・。

なるほど、人の死を扱う仕事ではある。でも、映画への先入観もあって、「おくりびと」が後ろ指を指される存在とはまったく気がついていなかったので、嫁に説明できなかったり、友人から疎まれたり、遺族から「この人みたいに償いの人生を送りたいのか」とか言われたりするのがすごく意外な展開であった。映像そのものや山崎努、モックンの立ち居がきれいすぎる?せいもあるか。

ともあれ、そうした「誤解」がやがて解け、実はその最期にあたって人と人を結び合わせるような尊い営みであるとつながっていくに及んで、思わず泣かされてしまったりするわけである。

原作の人は、映画の結末が自分の意図したもの(宗教とか永遠)と異なるとして、原作者としてクレジットされることを拒まれたそうだが、単なるヒューマニズムで終わっているわけでもないんでないかな。原作も読んでみるかな。

配役もみないいが、広末涼子も思ったよりよかった。

音楽(久石譲)もいい。チェロアンサンブルがイメージぴったり。

2018年5月19日

マイケル・チミノ監督、1978年、アメリカ。

アメリカ・ピッツバーグの郊外が舞台。同じ職場で、「鹿狩り」を通した仲間だが、その友情にベトナム戦争が微妙な影を落とす、というお話。
ロバート・デ・ニーロ引き続きいいけど、イメージ的には「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」に重なる。

ロシアン・ルーレットを軸にした陰惨なストーリーの果てに、「ゴッド・ブレス・アメリカ」の歌で終わるあたり、友情譚というかやっぱ戦争映画なのかな。
ベトナム戦争終結の3年後に封切られた映画だけど、まだ戦争は全然終わっていない、というような。

ところで、鹿のアナロジーが今いちわからん。信頼・友情(愛情)と「一撃」を導きたかったのか・・・。

2018年4月19日

読書状況 観終わった [2018年4月19日]
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ピーター・ジャクソン監督、2001年、アメリカ。

すごい大がかりだけどすごい大雑把な映画。
原作を読んで来いと?

2018年3月24日

読書状況 観終わった [2018年3月24日]
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ジミー・T・ムラカミ監督、1986年、イギリス。

イギリスの片田舎に住む無辜の夫婦が、敵国からのミサイル攻撃(核、放射能)の犠牲となっていく物語。

夫は「国際情勢」を常々気にしていて、國の対策マニュアル(実際にイギリス政府が刊行した手引き書を元にしているらしい)を熱心に読んだりシェルターを組み立てたりしているが、どこかピントがずれている。
妻は戦争や防衛よりも家事や家具のことが気になり、夫のやることに文句を言いながらも、「しょうがないわねえ」といったまなざしでそれを見守っている。

そんな夫婦の住むところを、ほどなく本当にミサイルが襲う。近隣の風景が一変しても、ラジオや電話が通じなくなっても、見えない放射能が降りかかってきても、「國はわきまえている、政府が守ってくれる」と言って、純朴に状況がよくなること、助けが来ることを信じて疑わない。

次第に体がむしばまれていく中での細やかな夫婦間の情愛、あくまでものどかな認識が悲しみと陰惨さを際立たせる。

國はわきまえている、政府が守ってくれる・・・? 本当にいざという時、それはあり得ることなのだろうか?

2018年2月25日

読書状況 観終わった [2018年2月25日]
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ジョン・ランディス監督、1980年、アメリカ。

なんだか散漫で、意味がわからない映画。「サタデー・ナイト・ライブ」というTV番組や、バンド活動が先にあっての映画らしい。

ジョン・ベルーシ、ダン・エイクロイドの怪演が見どころでありつつ、ジェームズ・ブラウン、アレサ・フランクリンやレイ・チャールズといった大御所が出演、音楽まわりはとんでもなく素晴らしい。

ほかにツイッギー、若きキャリー・フィッシャー、果てはスティーヴン・スピルバーグまで登場。豪華なおもちゃ箱である。

2018年2月24日

読書状況 観終わった [2018年2月24日]
カテゴリ 映画

三隅研次監督、1962年、日本。

「座頭市」シリーズの第一作であり、勝新さんの出世作のひとつでもある。

大上段に構えているわけではないのに、往年の役者の凄みを感じさせる映画である。啖呵のキレ、迫力は言わずもがな、そこはかとないユーモアとか色っぽさも感じる。

さいころの手口、平手酒造との微妙な友情、親分との関係の変遷など、ストーリーそのものやエピソードの筋もしっかりしていて飛躍や破綻がない。座頭市の居合いも、全編でスパっとカッコいいのではなく、目が見えないことのリアリティがある。

長くはないのに、昔の映画の奥深さを存分に堪能できる名作である。

2018年1月3日

読書状況 観終わった [2018年1月3日]
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ジョン・カーペンター監督、1982年、アメリカ。

お正月休みに観るのに、誠にふさわしい映画であった^^;

日本語では何だか安っぽいジャンクSFを思わせるタイトルだが、そういうわけではなかった。原題は「The Thing」という。単にモノとかヤツとかいう意味なんだろうけど、「物体X」より普通の言葉の方が怖い感じもしますね。

舞台は南極、アメリカ隊の基地。そこへ、一匹の犬を追ってノルウェー隊のヘリが銃撃を繰り返しながら迫ってくる。ヘリは、操縦ミス(だったか何だか)で墜落してしまうが、犬は基地内の犬部屋に収容された。ところがそれは、他の生物に取り憑いて内部から操る異星生物だったのである。

犬から始まり、隊員が次々に「憑依」されていくのだが、外見からはそれとわからないために疑心暗鬼が隊員を蝕む。暗がりや死角が怖い。それにクリーチャーの気持ち悪さは天下一品。そして、疑心暗鬼がすっきり解消されたとは言えずに、というか絶望的に終わる。

女性は一切出て来ない映画。

2018年1月3日

読書状況 観終わった [2018年1月3日]
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リュック・ベッソン監督、1999年、フランス。

またまた出ました、ベッソン監督。

同監督の「ハリウッド出世作」であり、暗殺者の系譜という意味でも「レオン」に通じる作品ではある。

「ニキータ」が暗殺者として抜擢される経緯とか、後半になって急に弱気になるとか、ストーリー運びが少々雑である。「掃除人」ジャン・レノも今いちかっちょ悪くて残念。

2017年11月25日

読書状況 観終わった [2017年11月25日]
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リュック・ベッソン監督、2014年、アメリカ。

出ました、リュック・ベッソン監督。でもこれはアクションとかサスペンスというよりは異色のSF映画。

「人間は脳の機能のごく一部しか使って(使えて)いない」と言われていたことを踏まえているようだが、さて人間が脳を100%使えるようになると一体どうなるのか? を描いている。

「ルーシー」は主人公(スカーレット・ヨハンソン)の名前だけど、例の原人の女性も意識した名前なのかな?

さてそのルーシー、麻薬か何かの運び屋に仕立てられ、薬品をお腹に仕込まれてしまう。それが腹中で破れたことで、脳機能が異常に昂進し始める。

で、全部使ったらどうなるか。

自己の認識を超えて外部事象すら操れるようになる。100%に達すると、体は消滅し、遍き存在になる。まあ、神になる・・・というか、要するに死ぬ、のではないのか?

お話としてはちょっと消化不良。スカーレット・ヨハンソンの、前半部分のバカっぽい演技がいい。

2017年11月21日

読書状況 観終わった [2017年11月21日]
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羽住英一郎監督、2015年、日本。

観た後で調べてみると、ドラマ版のまとめ篇らしい^^; 映画だけ観てもよくわからなかった。

映像そのものはそれなりにまとまっているが、ストーリーもアクションも緊迫感も全部半端(ビートたけしもなんか軽いし)で、平和ボケの国のアクション映画だと思った。

2017年11月19日

読書状況 観終わった [2017年11月19日]
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ヴィットリオ・デ・シーカ監督、1948年、イタリア。

ヨーロッパ映画は身も蓋もないというか、出口がないのである。

世は終戦後の不況の時代。2年間職にあぶれていた男・アントニオはようやく働き口を見つけるが、仕事の最中に自転車を盗まれてしまう。自転車がないとせっかくの仕事を失う。警察はにべもなく、自力で探すしかないが、万策尽きてアントニオが取った行動は、息子が見ている前で別の自転車を盗むことだった・・・。

モノクロ映画ということもあるが、全編を覆う異様な緊迫感と、その出口のなさに押しつぶされそうになる凄い映画であった。

2017年11月14日

読書状況 観終わった [2017年11月14日]
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オーソン・ウェルズ監督、1941年、アメリカ。

「バラのつぼみ・・・」という一言をいまわの際に残した新聞王かつ億万長者のケーン(オーソン・ウェルズ)。その言葉の謎を追いかける新聞記者と、ケーンの生涯(過去の風景)が錯綜しつつ、新聞王の虚飾と孤独を浮き彫りにする。

オーソン・ウェルズと言えば渋いおじさんのイメージがあるが、その若い頃(26歳くらい)の作品であり、彼が映画に進出した第一歩であるという。「アメリカ映画ベストワン」の称号に何度も輝いている名作中の名作でもある。

まあオレなんかが観ても、いい映画だとは思っても、オールタイムベストな映画とも思えない。アメリカ人の琴線に触れる何かがあるんだろう。社員を前にしたアジテーションやユーモア(ジョーク)の上手さとか。強力なリーダーに差す影とか。ママのイメージとか。

コクのある内容だが、終わってみるといつの間にか約2時間が経っている感じで、その話運びの上手さもベスト1の所以かも。

2017年11月6日

読書状況 観終わった [2017年11月6日]
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ニール・ブロムカンプ監督、2009年、アメリカ他。

ある日突然、ヨハネスブルクの上空に巨大宇宙船が現れる。しかしコンタクトだの攻撃だのといったアクションはなく、逆にじれた地球人が宇宙船への侵入を試みたところ、中で発見されたのはエイリアンの「難民」であった。彼らは地上の隔離区域「第9地区」に移され、被差別対象となって約30年が過ぎた・・・

と、そこから始まる異色な地球外生命体とのコンタクトものだが、それ以上のものは感じられず、ひたすら気色悪い映画である。つまりエイリアンが人間と結構似ていたり(でもエビにも似ている)、なまじ意思疎通ができるだけに、なるほど差別の構図も生まれるわなという気色の悪さである。

同国のケープタウンではアパルトヘイト時代に「第6地区」なる強制移住政策があったそうで、映画もそれを下敷きにしているという(ただし政治性は意図していない、とも)。

微妙な設定である。

話運びが、TVかなんかのドキュメンタリー仕立てであり(主人公の行方を追う番組?)、展開が早すぎるのもおっさん的には難。

そもそも、エイリアンたちはなぜそこに現れたのか?

キーマンのエイリアンが「3年後に必ず戻る」と言い残して宇宙船で去り(続編を意識してるんだろうなぁー)、かれこれ8年が経っているわけだが、その答えは果たしてあるのか?

2017年11月4日

読書状況 観終わった [2017年11月4日]
カテゴリ 映画
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チャウ・シンチー監督、2001年、香港。

足のケガが原因で引退した元サッカー選手と、少林拳の復興を夢見る若き達人の思惑が一致し、サッカー大会で優勝を遂げるまでの物語。

もう、バカバカしくてサイコー。

監督は漢字では周星馳で、日本の作家馳星周と見まごうんだけど、監督が本家で作家がそのファンだったらしい。

2017年9月17日

読書状況 観終わった [2017年9月17日]
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リチャード・レスター監督、1964年、イギリス。(2001年リバイバル)

かつて、「ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!」というタイトルで公開されたビートルズ主演の映画。ドキュメント風でありながら、ビートルズが自身を演じたコメディ映画、ということらしい。

全体的には子どもっぽいアイドルの雰囲気を抜けていなくて、ちょっとおいたが過ぎますという感じはある(人気絶頂で、年長のジョンでさえ24歳くらいの時なんだから無理もないけど)。ただ、時折ステージやTV放映という場面で挿入される音楽は、文句なしに素晴らしい。

コミック「僕はビートルズ」を読んで以来どうもビートルズが苦手になったんだけど、この映画からにじみ出ているリヴァプールやイギリスの空気感は、まさに同コミックが描こうとしたものかも。

2017年9月16日

読書状況 観終わった [2017年9月16日]
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深作欣二監督、1973年、日本。

「ヤクザ映画」の草分けであり、名作と謳われる映画ですね。

昨今の本当にイカれたバイオレンスものやアクションものを観た後では、ちょっとのどかというか間延びというかの感じがある。時代が違うのか、時間の進み方、感情の推移のしかたが違うのか。生の澱み?みたいなものがその分、あるのかも(菅原文太もカッコいい一辺倒ではなくて、ちょっと情けないっぽい雰囲気をまとっている)。

菅原・梅宮・松方・渡瀬といった名だたる俳優がみな若い。田中邦衛だけは変わってない(笑)。この第一作では、みんな惜しげもなく殺されて行くけど、シリーズ後半で復活(別役で)している。ま、そうなるわね。

当時、映画館を出たオトコ達はみな肩で風を切って歩いた、なんて話を聞いたことがあるけど、ま、広島弁はうつる(笑)。

(素朴な疑問)拳銃って「バキューン」っていうのかな?

2017年9月13日

読書状況 観終わった [2017年9月13日]
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ウォルフガング・ペーターゼン監督、1981年(ディレクターズ・カットは1997年)、ドイツ。

思ったより新しい映画なんだな。

第二次大戦中のドイツの潜水艦を舞台に、戦争の過酷さを描く。Uボートというのは(一般名称としての)潜水艦のことである。

すれ違えないほど狭い通路、ベッドは2人交替で使い、数十人から乗組員がいるのにトイレは一つ。男だけの世界であり、密閉空間の悪臭が鼻をつく。見えない敵からの攻撃や圧壊の恐怖、極限の緊張状態がいつ果てるともなく続く。まさに過酷な現場である。こうした非常に重苦しい物語に加えて、皮肉っぽい結末はいかにもドイツ流ということか。

なお、第二次大戦中のUボート乗組員の死傷率は、実に63%に上ったという。

2017年9月10日

読書状況 観終わった [2017年9月10日]
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