中国の農村で暮らす2ちゃんねらー、マカオで稼ぐ風俗嬢、上海の闇を取り仕切るヤクザ、その一方で同じ上海でも平穏に「日本人として」の生活を全うしようとする駐在員たち…様々な理由で中国と関わり続ける"和僑"たちから、最終的に筆者は過去の日本の「残り香」を感じ取る。
一口に「中国と関わる」と言ってもその関わり方は様々だ。日本にいて中国に意見する人々もこれに加えれば、それぞれがそれぞれの立場で互いの関わり方に(程度の差はあれ)非難・意見している状況。その多様性が本書からも伝わってくる。
自分自身も細い糸ではあるが中国という国と関わりを持っている。そんな自分が個人的に興味を持ったのは風俗嬢のルポ。自分でも何故惹かれるのかは分からないが、恐らくそれは純粋な好奇心から関わってるからであろうか。「あるべき論」ではなく、今現に関わっている人たちの等身大の姿は読んでいて清々しい。「ガツガツと外に出ていけ!」というギラギラオヤジどもの論調が溢れる昨今だが、それぞれが思い思いのやり方で外国と関わる姿は、むしろ元気や希望を与えてくれる。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
中国関連
- 感想投稿日 : 2013年1月6日
- 読了日 : 2013年1月6日
- 本棚登録日 : 2012年12月30日
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