1~6巻まで一気読みしたので、こちらに感想をまとめます。
今、この瞬間、この国、そして世界中のあらゆる場所で、現実に営まれている子供たちの生活を切り取った漫画なのだなと感じました。彼らの悲しみや親たちの身勝手等を、大袈裟にクローズアップすることなく、まるきり当たり前のことのように、日常だけが淡々と綴られている。これは、ただの作り話ではなく、この世界の話として描かれているからなのだと思います。けれど、だからこそ…、現実に存在する、解決のできない悲劇だということがはっきりとしているからこそ、その悲しみが胸に迫ります。まだ小さな子供であろうと、学校に入っていようと、大人として自立してからでも、その寂しさが彼らの人生にとって、あまりにも大きく、誰がどうしたって埋めようがない、という点では変わらない。それぞれがそれぞれに、どうにかして、親がいない生活を送っている。平気なふりをしながら…、弱音を吐きながら…、周囲に当たり散らしながら…、親を心の中で「抹殺」してやりながら…。でも、だからって、どうすることができるでしょう? 誰も、はるおの両親を「親らしく」することも、じゅんの母親の病気を治すことも、めぐむの両親を生き返らせることも、できない。子供自身にはなんの罪もないのに…、それでも、そういった子供たちは、そうやって生きていくしかないのでしょう。そういう子供が、今この世界にどれほどたくさんいることでしょう…。本当に、足立さんのような人は立派だと思います。ああいう風に、自分と血の繋がりのない子供たちを、真摯に心配し、育てることのできる人は、この世におけるどんな仕事をする人よりも偉大なのではないかと思います。
漫画で、頭が痛くなるくらい泣いたのはちょっと久しぶりです。面白い、というか…、すごい漫画だと思います。このリアリティは、本当にすごい。読めて良かったです。
- 感想投稿日 : 2016年2月7日
- 読了日 : 2016年2月7日
- 本棚登録日 : 2016年2月7日
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