荒神

著者 :
  • 朝日新聞出版 (2014年8月20日発売)
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本棚登録 : 1857
感想 : 319
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まさかの和製ホラーでした…( ;´Д`)。宮部みゆき、時代物、バケモノの三題噺となれば、これはもうキングに匹敵する怖ろしさと面白さですわ。3時間一気読み。冒頭シーン読んで「まぐる笛」の長編かな…?と思ったのが大ビンゴ。あれも怖かった。

宮部さんは、決してヒーローを描かない。市井の人たちの目線から、物語を紡いでいく。彼らが触れるのは、陰惨な殺人事件だったり、とてつもない怪異だったりすることが多くて、読んでて辛くなることもしばしば。
それでも読まされるのは、宮部さんの描く語り手たちの視点に、読者が深く共感するからだ。どっぷり彼等になりきって、物語の中にに引きずり込まれる。泣くし辛いし疲れる。でも、これが読書の至福なんだよなあ。読者を引きずり込む魔術を持つもう1人の作家がキングなので、ついつい並べて比べてしまうのでした。
連れて行かれる世界が、しばしば現実を逸脱しているところまで、よく似てると思う。

物語は文句なしに面白いんだけど、あんまり救われた人がいなくて、読後感がすっきり爽快とはいかなかったので★マイナス1。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ファンタジー
感想投稿日 : 2015年2月22日
読了日 : 2015年2月22日
本棚登録日 : 2015年2月22日

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