芸人交換日記~イエローハーツの物語~

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本棚登録 : 577
レビュー : 84
著者 :
片山るんさん 新刊   読み終わった 

映画を観てから読んだので、甲本が小出恵介くん、田中が伊藤淳史くんに変換されて出力されてしまう。
それをいったんはずして文字を追うと、切ない物語が浮かび上がってくる。
夢を持つことはいいことだとされている。でもその夢の内容にもよると思うのだ。その夢が、一般的にいってあまり認められないようなものだったら。
例えば歌手。たとえば役者。たとえば芸人。たとえば画家。たとえば作家。いわゆる「才能」と「運」がないとどうにもならない世界である。
それでもその世界にあこがれ、その世界で生きたいと願ってしまったら。
その夢に向かってがむしゃらに頑張ることは、世間一般の幸せから離れていくことでもある。
30歳という年齢はひとつの大きな壁のようだ。最近では40近くになってから売れる芸人さんも出てきて、ますます踏ん切りをつけるチャンスを失う人も増えてくるだろうが、それでもどこかで選択せざるを得ないときがやってくる。
甲本が切ないのは、自分の望みと現実が一致しなかったからだ。確かに夢を諦めることも才能だし、そうやって見切りをつけたあとはまた別の幸せを見つけたのだから、彼が芸人をやめたことは正解だったのかもしれない。
それでも彼の「お前と漫才してーよー」という叫びは痛切だ。才能とか関係なく、それが彼の本心だから。でもその願いは叶えられないし、叶えてはいけないことを本人がいちばんよくわかっている。だから哀しいのだ。

というようなことを読み取るにはこの日記体はちょっとキビシイな。
映画を観たから理解できたというところは多分にある。

レビュー投稿日
2013年4月22日
読了日
2013年4月22日
本棚登録日
2013年4月22日
5
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