昔はどこの村にも普通にあった、自然と共に生きる子どもたちの暮らし―就学前の小さな男の子(たけちゃん)と、その家族や近所の友だちの春夏秋冬を描いた絵本です。
今では、多くの人が自然と切り離された環境で日々の生活送っています。そのため、大人はこの本を読むと「こんな古い話を子どもが楽しむだろうか」と、疑問に思うことでしょう。確かに、草木を使ったままごと遊びや木登り、家族そろって囲炉裏端で迎える年越しなど、事柄そのものは子どもたちが体験し得ないものです。それでも、春を迎えた素朴な歓びや、迷子になったときの心細さ、たけちゃんの子どもらしい意地の張り方
など、読んでいくと主人公に気持ちを添わせて楽しめる部分がたくさんあることに気がつきます。お話はちっとも古びていないのです。どうぞ、見た目や出版年の古さに躊躇せずに子どもたちに読んであげてください。物語の楽しさは必ず子どもたちに伝わります。姉妹編『やまのたけちゃん』も合わせて、読んでみてください。
(教文館ナルニア国店長 川辺陽子)
NL75号2014年12月発行
読書状況:未設定
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カテゴリ:
ニュースレター紹介本(子ども向け)
- 感想投稿日 : 2015年3月30日
- 本棚登録日 : 2015年3月30日
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