ひとさらいの夏 (双葉文庫)

  • 双葉社 (2010年8月9日発売)
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感想 : 15
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*不倫相手の男のために悪夢のような負債を背負った41歳の女の家に、15歳の少年が転がり込んできた。二人とも現状の生活が袋小路に入った状況は似ており、出会いは奇異でも、すぐに心が寄り添っていく。非難の声。二人の行く先に未来はなく……表題作など、女性心理を見事に掬いとった傑作短編集*

女性ならではの寂しさや歪み、どろりとした濃い情念…そんな一筋縄ではいかない情景がとても巧みに描かれています。
一見救いがないように思えますが、どこか清々しく潔いのは、やむ無く手放したものに安堵しているからでしょうか。
決して心地よい読後感ではありませんが、不思議とあとを引く、大人にお勧めしたい濃厚な作品。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: Bossanovaはいかが?
感想投稿日 : 2018年9月25日
読了日 : 2018年9月25日
本棚登録日 : 2018年9月25日

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