シズコさん (新潮文庫)

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本棚登録 : 668
レビュー : 103
著者 :
ichiko53さん 親子関係   読み終わった 

母娘の葛藤を描いた本として、様々な場所で名前を聞いていた『シズコさん』
はじめは状況も登場する人たちの人間関係もよくわからないまま進む内容にとっつきづらさを感じたが、まるで洋子さんが思い出しながらポツリポツリと話してくれる言葉を聞くように読んでいた。

洋子さんは、とても正直な人だと思う。
母娘の葛藤は言葉にするのがとても難しい。
「愛せない」「嫌い」な母だが、それだけでは言い表せない存在なのだ。だから苦しいし葛藤する。

母を「嫌い」だと言うのはとても勇気がいる。
娘が母を嫌うことは罪だ。
女は寛容的であり、些細なことには目をつぶり、許す存在であることを求められる。
人を悪く言ってはならないし、ましてや腹を痛めて自分を産んだ存在を「愛せない」などと言うのは、本来決してあってはならないことなのだ。
けれど、母という存在に苦しむ娘は山のように存在する。
その中の一人として、洋子さんの飾らない真っ直ぐな言葉と感情が身体中に染み渡った。

生まれた時から、母を嫌いな娘は存在しない。
母が亡くなる時、私は何を思うのだろう。

レビュー投稿日
2019年5月12日
読了日
2019年5月12日
本棚登録日
2018年7月5日
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