つまらん。

2008年1月5日

読書状況 読み終わった [2008年1月5日]

こういうのは、悪くはない。

2008年10月23日

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2008年8月23日

読書状況 読み終わった [2008年8月23日]

正方形の紙を切らずに折らないとだめ。

2008年12月12日

読書状況 読み終わった [2008年12月12日]

なぜ、夜空はくらいのでしょうか? なまじっか物理を知っていると、宇宙が光速よりも速く膨張しているため、・それによって出来た宇宙の地平を光が超えられないため・赤方偏移により可視光の外に出るためなんて答えてしまいそうになる。が、これは×。実際の答えが知りたければ、この本を読んでください。ただし、この本には、この答えが冒頭には書ていない。まずは、古代ギリシャのころのアリストテレス、プトレマイオスらの哲学とも、宗教ともとれないような宇宙感に始まり、コペルニクス、ハリー、ガリレオ、デカルト、ニュートンらの中世宇宙物理もしくは、哲学的宇宙感、そしてアインシュタインを中心とした宇宙物理論の解説を行う。その宇宙感の歴史の中から、「なぜ、夜空はくらいのか」という疑問が16世紀あたりから出てきて、前記した物理、哲学者たちはその証明を試みた。そう簡単には理屈が立たない。ニュートンらが考えた無限の静的宇宙では、この世が光に満たされてどろどろに解けてしまう。実際にはそうでないのだから、これは物理史上重要なパラドックスであった。が、実際には宗教的な偏見を除いた正確な宇宙観測と中学校程度の数学を知っていれば、割と簡単にわかる。この程度の問題をニュートンや、ガリレオ、デカルトなどの大天才たちがわからなかったのだから、その後人類が蓄積した知識の大きさを実感せざるを得ない。

2008年10月25日

読書状況 読み終わった [2008年10月25日]

本書では、ある出来事や人や物に対する最初の一瞬での「感じ(かっこいい、違和感がある、嫌い、好き、おいしい、まずい、など)」を「第1感」と定義づけ、これについて掘り下げる。 第1感は、論理思考とは切り離された適応性無意識という感覚から導かれる。これによって「遅いけど正確」という論理思考では間に合わない瞬時の判断が可能になる。ソフトウエアを開発することを生業にしている私は、「このソフト、何か変だ」と直感する場面によく遭遇する。おそらくまともなエンジニアはこの手の感覚(嗅覚といってもよいかもしれない)で、設計の問題点を発見した経験をしているはずである。本書によるとこの感覚もやはり第1巻であり、多くのプロフェッショナルには備わっているものらしい。 そもそも論理的判断になじまない判断は日常茶飯事(たとえば、テレビ番組が面白いとか面白くないとか)なので、こういう第1感が我々に存在することはさほど驚くことでない。この第1感が最初の2秒以内に発動され、その後の論理思考にまで影響を及ぼすことが驚きなのである。これにより、判断が狂わされ誤りを犯したり、逆に論理思考では到底ありえないようなスピードで正解を導き出せる。 我々が本書から学ばなければならないことは、前者、つまり「第1感により論理思考による判断が狂うことがある」ということである。これにより、知らない間に差別や思い込みによる誤りを引き起こすかもしれない。無意識による判断なのでどうしようもないこともあるだろうが、それでもこのようなことがあるということを自己の戒めとして、しっかりと意識することが重要だろう。

2008年9月24日

遺伝子欠損による障害は、アルツハイマー、ダウン症、アスペルガー症候群、自閉症、色盲などさまざまである。本書の題名でいうところの「遺伝子のいたずら」とはこれらの障害のことであるので、当然ながら「いたずら」と呼べるレベルの問題ではない。であるのだが、内容を読むと「いたずら」と呼びたくなる理由もわかる。これらの障害を生み出す遺伝子欠損は、非常に軽微なのだ。たった一つの塩基配列(DNAの形成物質であるアデシン、チミン、 シトシン、グアシンの並び)の違いによってこのような障害が発生することがある。このような事実を知ると、我々が一応健常人として生きていることは、奇跡のような出来事であることがわかる。精緻な遺伝子コピー能力とエラーリカバリー能力に感謝せざるを得ない(すごいねー。こんなソフトを作れたらマイクロソフトに勝てるだろうな)。 本書の内容は、これだけに留まらず、最後の章では、意識と脳の関係についても言及する。すべての章で、興味深いテーマについて語られており、生物に興味ない人にも面白く読めるのではないか。 ただ、残念なのはこの程度の講義が、文系向けとはいえ日本最高学府で行われているという事実である。これでは東大生のレベルが下がったといわれても仕方あるまい。もちろん、この残念な結果と、本書の面白さにはまったく関係はないのだが。

2008年8月10日

読書状況 読み終わった [2008年8月10日]

本書の目指すところは、リーマン予想とその結果から導き出されることの解説である。 リーマン予想は、150年間多くの数学者の挑戦を羽解し続けている問題であり、その定義すら数学の門外漢には理解できない(高校数学レベルで理解できるフェルマーの大定理とは対象的である)。しかし、その定義をしないことにはこれ以降話が進められないので、適当に誤魔化して下記する。 まずは、オイラーが研究していた式から。 ζ(x) = 1 + 1/2^x + 1/3^x + 1/4^x ...この式は、x > 1のとき収束して値を持つ。その他は発散して定義できない。「x>1」の定義域を「x:1を除くすべての複素数」に拡張したのがリーマンのζ関数である。これ以降、ζ関数とはリーマンのζ関数を指すことにする。 リーマン予想とは、「ζ(x) の自明でない零点 xは、全て実部が 1/2 の直線上に存在する」である。零点とはζ(x)=0となる値のことである。従ってリーマン予想とは、「自明でないζ(x)=0の解は、1/2+ri(i:虚数 rは実数)とあらわせる」と言い換えることが出来る。 これが、表題の素数とどう関係するのか。それは、この式が、素数の発生確率と密接な関係があるからである。では、なぜこのような無限級数が素数と関係あるのか。人類でこの関係を明らかにしたものはいない。もしかするとリーマンは何らかの事実を手に入れていたのかもしれないが、40歳という年齢でこの世を旅立った彼は、それに関する断定的なことを残してはいない。私の人生が終わるまでにこのことが明らかになることを切に願うばかりである。 なお、この本は非常にハードである。間違いなくこのサイトに掲載している数学関連本の中でも群を抜いて難解である。数学を専攻した私でも(実は、解析は計算が面倒なのでほとんど勉強したことはない)、読むのにかなり骨が折れた。数学リテラシーの低い人には到底理解不能なので読むべきではないが、高い山ほど制覇したときの達成感が大きいことはいうまでもない。あえてチャレンジするのも良いかもしれない。 本書を読んで一日経過。いまだに混乱が続いているがなんとなく思いついたことを追記。 リーマンのζ関数から派生した数学に、量子力学のモデル候補があるらしい。ζ関数は素数列と強い相関があり、量子力学はこれ以上割り切れない小さい粒子を扱うのだから数論的であるため、このことは驚くにあたらない。一方、相対性理論は微分積分(解析)の世界である。数論と解析。通常関係なさそうな数学が、ζ関数で結ばれている。であるのだから、量子力学と相対理論の相矛盾を解決する数学モデルもζ関数と関係あるではないか? もしそうだとすれば、相対論的宇宙がリーマン幾何で現されていることとあいまって、リーマンの偉大さを今更ながら思い知ることになるだろう。

2008年8月17日

読書状況 読み終わった [2008年8月17日]

まずは、ナップザック問題の定義から。「大きいほど、値段も高くなっている10個の商品があります(つまり、一番小さい商品は一番安く、一番大きい商品は一番高い)。これらを、ある決められた大きさのナップザックに適当に入れます。ナップザックに入ったものはあなたのものになります(当然ですが、すべての商品入るほどナップザックは大きくありません)。商品の合計金額が多ければ多いほど得であるとした場合、どの商品を選べば最も得でしょうか?」 この程度の数では、すべての組み合わせについて調べることができる。しかし、10個ではなく、1万個になればほぼ計算不可能(組み合わせは2の1万乗)。このような問題に対して、「そこそこ良い解」を選ぶ方法を導き出すのが本書の目的である。 その方法とは、簡単に言うと生物進化をシミュレートするようなアルゴリズムである。つまり、遺伝子配合、突然変異、自然淘汰を使いながら、世代交代を繰り返すことで、よさそうな組み合わせを導き出すのである。いつも決定論的解法に慣れている私にとっては、目から鱗的な驚きがあり、なかなか参考になった。 ちなみに本書のサンプルプログラムはJAVAで書かれているが、JAVAに似た言語ではC++しか知らない私でもそこそこ読めたので、JAVAを知らなくてもC++を知っていれば読める。

2008年8月7日

勝海舟といえば、・徳川の御家人から、幕府の要人に出世し・家茂、慶喜に仕え・にもかかわらず、坂本龍馬の師匠・江戸城無血開城を行うなどにより、大政奉還成功の立役者・明治政府でも主要人物といったことで有名である。出世したのち、大恩ある家茂るから、慶喜、そして敵方である明治天皇に仕えたことで福沢諭吉らに「二君に仕えた」ことを批判されるものの「行いは自分のもの、評価は他人のもの」と受け流す様は、小義を捨てて大義を取る(徳川から明治政府へと転身した)大人物として、江戸後期の綺羅星のごとく輝く人材の中でも、一際異彩を放つ。一方、その徹底した合理主義は、ある種の冷たさを感じざるを得ない。 このような人物の生き様を説明、解説、解読したのが本書である。いつもと変わらない深遠な童門氏の視点は、勝を浮き彫りにし、彼のトータルとしては爽やかな人生を書きあげる。爽快さの残る一冊である。 勝の人生とはほぼ関係ないが、本書で家茂の妻である和宮の和歌が紹介されている。お土産を頼んだ家茂が、物言わぬ体となって土産とともに帰還した悲しさを詠んだものである。感動的ものなので備忘録として掲載する。
うつせみの からおりごろも なにかせむ   あやもにしきも きみありてこそ

2008年8月13日

読書状況 読み終わった [2008年8月13日]

主人公の紗江は、親子ほど年の違う天才版画家、柚木の若妻である。二人は仙台のはずれに居を構え、世間の喧噪と隔たれた生活を送っていた。 ある時、柚木のファンという東吾という美青年が訪れる。柚木は天才的芸術家らしく気難しい。当然、この青年の訪問も喜んで受け入れない。しかし、東吾は弟子入りを乞い、ついには柚木から承諾を得る。東吾は内弟子ではないため夕方には自宅に帰るものの、昼間3人の生活が始まった。 その生活の中で、紗江は夫を愛しながらも、若い東吾に心惹かれていく自分に気づく。どこか近寄りがたい雰囲気をもつ東吾との距離を縮めようとする自分の情動に葛藤を覚え、悩み苦しむ。 そのような生活の中、柚木に大仕事が舞い込む。東吾は柚木の傍らにいて、彼の技に心奪われ、この芸術にのめりこむ。この大仕事は、柚木の命を削り取り、ついには完成はるか前にして彼の命は尽きる。師匠の志を受け継いだ東吾は、柚木の生前以上にこの仕事に入り込み、埋没していく。と同時に紗江との二人の生活が始まった。これから先は、本書を読んでほしい。 小説が、判る、判らないというような判断をする類の文書でないことは理解している。しかし、ここまでわからない文書も珍しい。ただただ、困惑と混乱が残る小説だった。

2008年9月8日

読書状況 読み終わった [2008年9月8日]

オシムの言葉は、時に意味深長で、時にウイットに富み、またある時、鋭利な刃物となり、またある時、人の心を強く束縛するほどの力を持つ。このような人物がどのようなバックボーンを持ち、どのようにサッカーと絡み合ってきたか、どのようにチームをマネージメントするのかというようなことを通して、彼の人生哲学とはどのよなものかを浮き彫りにするのが本書である。 オシムのような人物の人生哲学を説明することは非常に難しい。そのため、著者は彼の発言を中心にしたエピソードを解説することで、その代用をする。これによるとオシムの指導者としての特徴は、プロセスを重んじることである。「できる準備を完全にした。それで勝てるかどうかは相手チームに聞いてみよう」との発言はまさにそのことを物語ると思う。 平凡なマネージャーは、結果を重視しすぎるあまり、部下のプロセスを規定する。これは一時しのぎにはよいが、指示待ち人間を大量生産する。しかし彼は、プロセスを重視するからこそ、プロセスを決めるメタ・プロセスを規定するのである。結果ではなく意図。それに加え創意、献身、努力。つまりプロセスを作り上げることができる個を作り上げること、それによる軋轢をものともしない人格の持ち主を作ること。これがオシムのスタイルである。マネージャー、コーチ、リーダーの理想像がここにある。指導者諸氏よ、心して読まれるがよい。 このような人物が一時的にでも日本サッカーのよき導き手となった幸運を感謝する。

2008年9月3日

まずは、「囚人のジレンマ」というゲーム理論の問題から。問題:2人の囚人がいます。彼らは今取調べを受けていますが、白状してしまうと以下のような刑が待っています。
1)2人が白状し待った場合:両方とも10年間の監獄生活  
2)1人が白状して、もう一方は白状しない場合:白状した方は1年、白状しない方は15年の監獄生活
3)両方が白状しない場合:両方とも2年の監獄生活 彼らの刑期を予想してください。
回答:彼らが、利己的な人物であれば両方とも白状してしまい10年の監獄生活を送ることになる。詳しくは、http://ja.wikipedia.org/wiki/囚人のジレンマを参考にしてください。
協力すれば2年ですんだところが10年になる。これがこの本が提起する問題点である。組織が存在する理由は「一人ではできないことをできるようにする」ためである。しかし、囚人のジレンマのようなことが起こるのならばその組織は、組織としての体をなさない。当然の結果とし、不祥事の連発や業績の悪化が訪れる。 なぜそうなるのか、それをどのように回避すればよいのか、そのようになってしまった組織があるべき姿に回復するためにはどのようなことをすればよいのか、本書は鋭くこの問題に踏み込む。多くの示唆は会社全体の取り組みでしか行えないのであるが、それでも現場レベルで何とかできるプラクティスもある。現場管理職諸氏にお勧めしたい。

2008年9月11日

主人公は、いつも使う電車とすれ違う電車の中の女性に心惹かれる。環境がかわるためこの電車を使うのは今日が最後という日、彼女に会うために対面の電車に乗り込む。が、いつもの彼女はいなかった。 女っけのなかった学生時代からの友人が、彼女を紹介したいと連絡してきた。待ち合わせの場所に行くと、友人と同席しているのは、毎日電車ですれ違っていたあの女性ではないか。この日を起点にして、この物語は、2つの数か月ずれた時間の中で並行して進んでいく。 3人は、バーチャルリアリティの研究者である。友人の恋人に思いをはせる主人公。足に障害をもっていることにコンプレックスを感じる友人。主人公に心ひかれながらも、彼を裏切れない彼女。3人の微妙な関係は、友人のアメリカ赴任が決まってから一気に崩れていく。と同時に、このアメリカ行きの栄典を決定した友人発明である「記憶差し替えマシーン」が3人の人生を作り直す。 このマシーンにより差し替えられた人生と元の人生が交差し、3人の心のあやが入り乱れる。続きは、本書を読んでほしい。  読んでいるときには面白い本ではあるが、読み終わってみると、本書を面白いと思った自分が不思議であった。

2008年9月9日

読書状況 読み終わった [2008年9月9日]

ようやく来ました。待ちに待って半年。これでクソ本だったら悲しいことこの上ないが、そうでなかったことに感謝。簡単すぎて掲載する必要ない作品も何点かあるが、「白鳥」、「ワニ」、「クワガタ」、「カブト虫」、「ナナフシ」などなかなかの秀作が多く読んで楽しい。 前半は初級、後半は中級者向けであるので、これから折り紙を始めたい人にもお勧めできる一冊。

2008年8月16日

読書状況 読み終わった [2008年8月16日]

私は、野村監督の野球に対して・個々の選手のレベルを引き上げ、人格的にもスキル的にも優秀なリーダーを育て上げ、チームとして有機的に行動できるようにすることにより、長期的に強いチームを作り上げる。これにより、野村監督が去った後も、チームの能力は持続する。・日本シリーズなどの短期戦においては、徹底的に相手の弱点を探しそれに付込む事により勝ちを求める。というイメージを持っている。 私が、興味あるのは、当然前者である。ありがちなマネージメント論においては、個の力よりも、組織力がクローズアップされる。人がいて、初めて組織が成り立つので、私はこのことに大きな違和感を覚える。しかし、個の力は明らかに抜けているのに平凡な成績しか残せないジャイアンツのような組織があることもまた事実。どう考えればよいのか。野村監督のやり方を参考にしたいと本書を手に取った。 わかったことは、野村監督は「人格的にも、スキル的も優秀なリーダーを育てる」ことを優先していることである。しかし、このようなリーダーを育てるためには、まず自分自身が優秀なリーダーとならなければならない。他人に対する以上に自分に厳しくなければならない。だから、マネージメントは難しいのであると改めて感じた。 すべてのリーダーにお勧めする。

2008年8月2日

googleの検索レスポンスは恐ろしく速い。私は仕事柄、どんなソフトを見ても、なんとなくその構造を想像できるが、googleだけは全くわからない。なぜ、あれほど堅牢に、あれほど正確、あれほど速いのか?それに答えるのが本書である。 まず、最初に一般的な検索サイトの技術要件をて定義し、googleの検索システムの概要説明を行う。大枠のアーキテクチャがなんとなくわかったところで、システムの重要な概念、モジュールであるgfs、bigtabel、MapReduceなどの詳細を解説。ここでのキーワードは、「大容量」である。googleのシステムは、全世界からダウンロードしてきた大量データに特化したアーキテクチャになっている。もう一つのキーワードは、「安いPCを大量に使う」である。安い故に低パフォーマンスのPCを、ネットワークを使用した超並列的分散アーキテクチャでつなぎ合わせ恐ろしいほどのパフォーマンスを安価に実現する。恐るべきgoogleの技術力。 その後、本書では、googleのコストについての推測を試みる。あれだけのデータセンターを持ってしまうと電気代が年間100億円、PCが300億円と読む。結構な額だが、売り上げ規模から考えればゴミみたいなものだと思う。しかし、ここでもgoogle魂発揮で、いかに電気代を下げるかと技術的試みを死に物狂いでやっているらしい。恐るべきgoogleのカイゼン魂。 最後に、ソフト開発に代表されるgoogleのマネージメントに言及する。個人の自主性を重んじる、20%の時間は現在の仕事以外に使う、などの良くあるプラクティス(でも普通の会社は実行できていない)が掲げられている。 全体を通しての感想は、「さすがgoogle。ここまでやるか!」。一つ一つは大したことやっていないが、細かい工夫を山ほど行い最高の企業になっていると思う。

2008年5月14日

本書で、受注ソフトウエア開発販売のことを、日本のソフト産業と呼ぶ。すごく範囲が狭いが、そう定義したのだから仕方ないのでそれに従って読み進めた。 その狭い範囲での日本のソフト産業がダメな理由は、大きく言って以下の2つ。1)エンジニアのレベルが低い2)ユーザのレベルが低い。1)についての理由は、・労働環境が悪いので、人が集まらない・エンジニアのレベルにより給料が決まらないので、レベルの低いエンジニア自身が困ることはない。・エンジニアを組織的に育てる仕組みがない・昇給と昇格が連動している会社がほとんどなので、エンジニアのキャリアパスがマネージメントへ進むか、今の給料に甘んじてエンジニアを続ける以外の選択肢がない2)が引き起こす現象は、・システムで実現するものは本来ユーザが定義しなければならないが、それができないのでベンダーに丸投げ。これによりベンダーが甘える。・レベルが低いので大きなベンダーに頼る。これにより、元気のよいスタートアップ企業が育ちづらい。・ベンダーのレベルを推し量ることができないので、2重3重の下請けが発生し、まとまった知識が作り上げられない・などなど 言っていることは非常に正しいと思う。システム受注ソフトに限らずたのソフト開発産業においても似たようなものだろう。で、どうすりゃいいの?エンジニアはフリーランサーになるべきであるという提言以外、具体的は提言はなく、フリーランサーになるためのプランも書いていないようでは、単なる愚痴の本と切り捨てられても文句は言えまい。

2008年6月13日

読み終わった,本書によると、フィボナッチ数列、黄金比率、フラクタル、等角螺旋といった神秘的な香りがする数学が、生物、植物の成長や形状に現れるそうである。確かに、オウムガイに代表される巻貝は明らかに螺旋である。しかも、詳細に調べるとこの螺旋は等角螺旋である。2枚貝も螺旋。植物の葉の付き方も等角螺旋(螺旋がフィボナッチ数列や黄金比率と関係することは、数学を専攻した者にとってはよく知られた事実である)。 このような数学を取り入れることが生物進化上有利に働いたことを証明することが本書の大命題である。そして、見事にそれを証明している。が、あまりにも説明が数学寄りで、生物進化学的視点がないため、「螺旋が有利であること」は分かるが、「生物が進化の中でどのようにこの数学をゲノム化していったのか」といった最も興味引かれる部分に対してほとんど言及していないのは残念である。蛇足: ところで、私は合気道や柔道を嗜む。私の経験の上、「多くの競技者にとって、熟達者の技は非常に美しく見える」のである。これを機能美と呼ぶ。この本を読んで、この機能美には、螺旋、フィボナッチ、黄金比率が関係しているのではないかと感じた。

2008年7月29日

読書状況 読み終わった [2008年7月29日]

読み終わった,ミトコンドリアを中心とした分子生物学の解説本。 内容は・真核細胞にはなぜミトコンドリアが必ずあるのか? これは、細菌にα-プロテオバクテリアが寄生し、そのままの形が定着したからであるが、そう簡単には起こりそうにないことなのである(宿主側の細菌は嫌気性。α-プロテオバクテリアは好気性なため住む場所が全然違うため)。それを引き起こすいろいろな仮説(特に有力なのは水素仮説)を解説する。・細胞の作り出すエネルギーについて 呼吸とはなんだろうか。酸素がなくても困らない生物はたくさんいる。であるので、酸素を消費して二酸化炭素を出すことでないのは明らか。ではいったいどのようなものなのか。これを分子化学の観点から詳細に伝える・細菌は小さくて単純なのに、真核生物は複雑で大きいのか 細菌は、細胞壁を通して食べ物を外から入手することが出来ない。ところが真核生物ではそれができるため多くのエネルギー源の入手が可能である。また真核生物はミトコンドリアを持っているためエネルギー創出も可能である。このため細胞分裂という細胞にとってもっとも多大なエネルギーロスを、巨大なゲノムを保持したまま実行できる。ところが、細菌は巨大なゲノムを持つとこのロスが乗り越えられない。従って、細菌には、小さく、単純でありつづけるよう選択圧力がかかる・アポトーシスについて。 人の指は胎児のころ、繋がっている。生まれる前に、指の間の細胞が自殺(アポトーシス)を引き起こすことによって、指が形成される。個々の細胞から見ると自分を消滅させるような最悪な事柄が、全体最適に繋がる。なぜこのようなことが起こるのかを解説する。・なぜ有性生殖が必要なのか、もしくは存在するのか 生殖は、多種類のゲノムを入手するために必要である。しかし、2性の必然性は明らかではない。2性でなく、1性であるほうが生殖相手を発見するためには有利なように見える。また、多性であっても2性よりは有利なようにも思える。なぜ2性なのか?そこにはミトコンドリアの多大なる影響があるように推定されている。・なぜ生物は老いるのか 寿命についてよく言われるのは、代謝と寿命は反比例するということ。つまりねずみの寿命は人の数十分の一であるが、これはねずみの代謝の多さから説明できるというものである。ところが鳥にはこの説は通用しない。では、なぜか。さまざまな説があるらしいのだが、特に有力な説にもやはりミトコンドリアが複雑に絡み合う。 あまりにも、詳細で多岐にわたりヘビー級なため、読むのに骨が折れるが、非常に興味深い本である。この本の中で解説されている仮説が解明され、早く続編がでることを願う。

2008年7月12日

読書状況 読み終わった [2008年7月12日]

本書の「七つの不思議」とは、・火星の水にまつわるなぞ・地球型(水が液体のまま存在する)惑星について・たくさん地球型惑星があると推測されるのにもかかわらずETの存在が証明されないこと・宇宙の果てから来る光にまつわる不思議・ダークマター(光を発しない物質)、暗黒エネルギーについて・超ひも理論の織り成す高次元空間や膜宇宙・なぜこの宇宙が人間にとって都合のよいパラメータで形成されているのかを指す。どの一つとっても非常に興味深く、実際読んでみて面白い。特に、暗黒エネルギーについての記述にはかなり驚いた。この章によると、宇宙誕生から50億年前ごろまでは拡大速度は下がっていたのだが、それ以降今日まで拡大速度が増しているらしい(このことは、超新星爆発による光の赤方偏移により証明された)。速度を増すにはエネルギーが必要である。しかもこれだけ大きい宇宙となると中途半端なエネルギーでは宇宙自体の質量による重力に負けてしまうので、宇宙全体にあまねく広くしかも重力に対して反対方向の力を出す強いエネルギーが存在するのである。これを指して暗黒エネルギー。我々の宇宙の70%以上を覆うものらしい。こんなこと、知ってました?

2008年7月18日

読書状況 読み終わった [2008年7月18日]

本書によると死にかけたソフトウエア・プロジェクトを救済する手順は、下記のような感じになる。・とりあえずプロジェクトを中断・本当に死にかけているかどうか調査・死にかけている場合、上位マネージメントに事実を通知・全プロジェクトメンバー、ステークホルダーに事実を通知・到達可能な目標の再定義・再定義された目標に、ビジネス的意味があるかどうかの判断・チームの再構築…技術的側面のみでなく、政治的、マネージメント的な側面について言及する姿勢は評価したい。が、そもそもプロジェクトが死にかける主な理由は、技術に起因せず、マネージメントや政治に起因することを考えればあたりまえのように思う向きもあるだろう。 私は、プロジェクトを殺しかけたことがある。この経験を振り返るとこの本に書かれている当たり前の内容にも重要な意味がある。プロジェクトが死にかけると、リーダーをはじめとする主要メンバがパニック状態に陥ったり、放心状態に陥る。その時、本書の内容(当たり前ではあるが漏れのないステップ集)は正気を取り戻す有効な手段となるだろう。 以上のような理由で、死にかけプロジェクトのリーダーはもちろんのこと、転ばぬ先の杖という意味で、今からリーダーを引き受ける人にもお勧めしたい。

2008年7月17日

巨人と呼ぶべき偉大な数学者を思いつくまま上げてみると、
ユークリッド、ピタゴラス、デカルト、ニュートン、ライプニッツ、ガウス、リーマン、ガロア、アーベル、オイラー、フェルマー、ポアンカレ、カントール、ゲーデル、・・・。どの数学者を見ても非常に優れた結果を残した。その中でも傑出してユニークな仕事をしたのが、本書がスポットライトを当てるカントールである。
 彼の仕事とは、実無限を扱う方法を確立したことである。さらに、彼はこの無限に対する研究を深め、連続体仮説(「実数の集合は、自然数の集合のべき集合と同じ濃度を持つ」と言う命題)の証明に立ち向った(この辺の話は、私の得意分野なので詳しく書きたいのだが、ヘブライ語のアレフが表示できないのでやめる。アレフとは集合の大きさを表す非常に重要な概念)。これにより多くの数学基礎論を打ち立てたが、この空前絶後の独創的な仕事の代償はあまりにも大きく、正常な精神を保つことができなくなり、そのまま生涯を終える。結局、この仮説はゲーデルに引き継がれ、有名なゲーデルの不完全性定理の落とし穴にどっぷりと落ち込んでいることが証明される(つまり、この仮説は、現在の数学の公理系では、「正しい」とも「正しくない」とも証明できない)。その後、ゲーデルもカントールと同じような精神障害を引き起こし生涯を終えることになる。
 なんとも壮絶な天才数学者の生き様に感動を覚えざるを得ない。というものの、自分にこんな才能がなかったことを神に感謝したい。

2008年8月11日

読書状況 読み終わった [2008年8月11日]

本書前半は、野村克也、中西太、工藤公康、大野豊、古田敦也ら超一流野球人との対談。彼らのインタビューからは、超一流が一流と一線を画す理由がにじみ出る。独特の野球哲学、独自のスキル、当たり前のことを当たり前にこなす継続力、確立された人格、どのひとつとっても、超一流たる所以がある。野球に携わることのないビジネスパーソンにも大いに参考になる。 中盤に「清原が一流スラッガーであるかどうか」の論文がある。2008年時点で500本、ホームランを打った打者が8人。その中で一度もタイトルをとったことのない打者は清原以外存在しない。このような打者をどう評価するか、二宮視点はなかなか面白い。 後半は、「高校野球特待生問題」、「逆指名に伴う裏金問題」「独立リーグ」など今のプロ野球界を取り巻く問題に言及。特に「高校野球特待生問題」については、私の大嫌いな朝日新聞の高校野球に対するダブルスタンダード(高校野球が教育の一環であると言う観点から、金の匂いシャットアウトすべきと主張する一方、経済性を優先するために、高校生に何連投もさせる)に鋭く踏み込んだ論文である。さすが二宮清純であると納得した。

2008年7月28日

読書状況 読み終わった [2008年7月28日]
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