ハゲタカ(下) (講談社文庫)

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本棚登録 : 3172
レビュー : 306
著者 :
いけださん 本・雑誌   読み終わった 

まず、これだけの大作を、よくぞあそこまで圧縮させたなぁ、とNHKの脚本担当に感心しました。
あ、これ、嫌みじゃなく、心からの賞讃ですよ。
これが、原作ありのTV drama、そのあるべき形だと思いました。
同じstoryを、丁寧になぞるだけのdramaは二流、と思います。映画も然り。
そこに新しい息吹を吹き込めるかどうか、だと思うのですよねー。

ちなみに、三流の作品とは、そもそものtasteをぶち壊し、呆れるほどの駄作へと貶めてしまった作品です。
そしてそういう作品が、実は一番多いというのが哀しい真実ではあります。

改めて、すげー小説を書いたもんだなぁと思います。
fictionという但し書きはあるものの、どこまでがnonfictionなんだろう。
金融とは何ぞや、資本主義とは何ぞや。
そういうthemeを、seriousで重厚な雰囲気で語りながらも、あくまで娯楽小説です。
dramaticな物語構成が見事なので、ぐいぐいと引き込まれていきます。
一つの章が終るたびに、ほぉっと息を付いてしまうくらいの濃密さ。
いやー、とても面白かったです。その一言に尽きます。

fund、という存在への見方が変わることは確かでしょう。
日本の経済界においてのfundは、とても歪められた形で取り上げられている事が分かります。
venture capitalなんかが、これから必要となるものなのにね。
この作品を読むことは正しい認識に基づいた、正確な評価の手助けになります。
入門書として、というか、こういう世界への入り口として、とても良い作品だと思います。
何よりも、楽しみながら読み進められることが素晴らしいと思います。

そろそろ、こういう世界観をきちんと備えるべき時ですよね。
こういう価値観が、いまの世界を支配している原則なのですから。

レビュー投稿日
2018年11月13日
読了日
2007年4月4日
本棚登録日
2018年11月13日
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