阿部 良男『ヒトラーとは何者だったのか?—厳選220冊から読み解く』2008年 (学研M文庫)
709ページ(定価1,300円+税)
著者は元銀行員のアマチュア研究者ですが、プロの学者や研究者がしなかった(やらなかった)ことをしてきました。
最初の著作は、1995年に出版された、
『ヒトラーを読む3000冊』刀水書房、452ページ
で、日本語で発表された文献のほとんどを分類し解説した労作です。
続いて、2001年に出版された、
『ヒトラー全記録—20645日の軌跡』柏書房、705ページ
は、膨大な文献から、ヒトラーの履歴・言動およびドイツ国内外の情勢を時系列に再構成したクロニクルです。
ヒトラー研究者にとってこの2冊は、アマチュアによるものであっても、リファレンス資料の作成は空前絶後の偉業であり、必携でしょう。
『ヒトラーとは何者だったのか?』は、『ヒトラーを読む3000冊』とその出版後に筆者が入手した文献の中から220冊の本を選んで分類解説したものです。
ヒトラーとナチスドイツに関心のある人にとっては入門の手引きにもなります。
オススメ度 ☆☆☆☆★ 4.5です。
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[目次]
第1章 ヒトラーの台頭
第2章 ヒトラーとナチズム
第3章 ヒトラーとは何か
第4章 ヒトラーの社会
第5章 ヒトラーと戦争
第6章 第二次世界大戦
第7章 ユダヤ問題とショアー(絶滅)
第8章 占領と抵抗
第9章 側近と女性
第 10章 ヒトラーの最期と戦争責任
内容(「BOOK」データベースより)
第2次大戦をひきおこした悪の権化、または、ドイツ国民を巧みに煽動した天才的カリスマとして、今もなお、恐れられているアドルフ・ヒトラー。しかし、彼は本当に稀代の悪人で、天才だったのか—!?ナチス・ドイツ勃興時から戦中戦後、さらには現在まで発表され続けている膨大なヒトラー関連の文献を長年渉猟してきた著者が、その数千に及ぶコレクションの中から220冊を厳選し項目別に分類、解説・検証することで、ヒトラーの「実像」に迫る。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
阿部 良男
1936年、東京都生まれ。中央大学法学部法律学科卒業後、銀行員となり、多忙な業務の傍ら、長年ヒトラー関連の文献を渉猟。現在、(株)ロック・フィールド非常勤監査役をつとめる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
- 感想投稿日 : 2010年3月28日
- 読了日 : 2010年3月28日
- 本棚登録日 : 2010年3月28日
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