去年の雪 (1)

  • KADOKAWA (2020年2月28日発売)
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感想 : 118
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ああ面白い体験だった。読み終えてそう思った。
たくさんの人が生きていて、その生活が少しずつ切り取られている。
この全てを俯瞰する神様(居るとすれば)の視点での話も読んでみたい。人間がこちょこちょ動き回っている様を面白おかしく観察する。

だって私も今日か明日か、せいぜい80年後にはきっと死んでいるに違いなくて、人間が生きてきた長い長い歴史の中ではあっという間に消えてなくなる存在でしかない。

「何のために生まれて何をして生きるのか
こたえられないなんてそんなのはいやだ!」
アンパンマンのマーチより。
何のために生まれて生きるのか?って、考えたことがある人なら大概は「分からない」と思っているんじゃないかな。
生まれたのも生きているのも必然というよりは偶然でしかなくて、そこに理由なんてない。
アンパンマンは好きだしこの歌も歌詞も良いものだとは思うけれど、生きる理由をこたえられなくても幸せでいられるし、それもありだと思う。

今日も生きる私は違う誰かから見れば全く滑稽かもしれなくて、私も本を開いてそこで生きる人を面白いなぁと思って眺めている。

こういうことをあんまり突き詰めて考えすぎると頭がおかしくなりそう。



偶然だけれど最近始めたTwitterで似たようなことに取り組んでいたのが嬉しくもあり。
もちろん江國さんの足元にも及ばないけれど。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2020年7月19日
読了日 : 2020年7月19日
本棚登録日 : 2020年7月19日

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