明らかに教科書的な体裁・内容なのに、文体が分かり易い(飲み込み易い)からサクサク読める。
論旨も説得力があるし、同意する部分が多い。
本の前半(従来からのいわゆる土木計画学)は本題でないのかもしれないと思っていたが、将来需要推計(需要予測)が費用便益分析についても、内容自体はもちろんのこと、それらへの向き合い方が丁寧に述べられている。
また後半はまさに真骨頂で、とくに「行政プロセス論」と名付けられた第10章は、目からうろこ。合意形成やPIについても、それに身を任せてしまうことの危うさを(直接民主制の問題点も参照しつつ)ようやく共有できたと思っている。
土木の人がかいた本で、ここまで全く感銘しきってしまったり、絶賛したくなったりした本も珍しい。
本書を国交省の全職員がよめば、日本は変わると思った。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
土木・景観
- 感想投稿日 : 2014年12月2日
- 読了日 : 2011年1月
- 本棚登録日 : 2014年12月1日
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