行動主義―レム・コールハースドキュメント

著者 :
  • TOTO出版 (2004年3月15日発売)
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感想 : 33
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一気に読み進める。が、なんだか頭が痛くなってきた(笑)

レム・コールハースという人の忙しさ、アクティブさ、異分野との絡み(「建築家」らしくなさ)、「ブックレット」のこと、「質問したがるクセ」のこと・・・
ちょっと面白いような記述はちょこちょこ出てくるのだが、読んでいてエキサイティング、という感じはしない。建築家にもいろいろいるんだな、というのと、こんな"忙"しそうな(心を亡くした)人生はいやだ、ということを思った。

むしろこの本でもっとも手に汗握るのは、伊東豊雄へのインタビューと、レム自身へのインタビューだろう。
伊東の語り口は、レムへの批判を大いに含む。いや、むしろ批判そのものだ。そして、批判的な受け答えの中から、仙台メディアテーク以降の伊東が「素材自体の表現力」を重視し、「構造」をシンボル的なものとして可視化する方向へ変化したこととか、あるいは伊東なりの近代建築観とか、伊東の、建築というものへのスタンスがあらわになっている。

またレムは、異分野に対してオープンであること、なんでも「一人でやってしまおうとすること」が一つの重要な特徴なのだろう。レムは自らの役割を「仕掛ける」と表し、ある人はそれを「編集者」的と評する。言葉を変えると「教祖的」。このようなスタイルのリーダーを演じるには、相当のリスペクトをすでに備えていないと成立しないだろうな。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 建築
感想投稿日 : 2015年1月5日
読了日 : 2005年2月
本棚登録日 : 2015年1月5日

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