びっくりした。もはや思い出せるはずがないと思っていた感情が急によみがえってボロボロ泣いた。
もらったもの、してもらったことの短編集。時々、いい話だなーとは思うけどまぁそこまで心に残る感じではないかな、、と思いながら読み進めた。
だけど最後の話になった時、年老いた女性が、夫の昔の浮気相手を思い浮かべて、やっぱり話ぐらいしておけばよかったかな、と、もう恨むことも無くふと考え、夫にしてもらったことで一番うれしかったことは何だった?と会話を空想するシーン。何故かそこで私も、うーーーん、何だったかなーー・・、と自分の夫との昔から今までの様々な出来事を思い返してしまった。
そして思い当たって、そうだったそうだった、本当に好きだった、うわぁ懐かしいな、もう一生そんな気持ちに出会う事は無いだろうと思っていたけど、消し去ってなかったのかと驚いた。
短編集の2つ目あたりで、途中をとばして最後の話を読んだ時は何も思わなかったのに、全部読んだ後だったからか「もらったもの」の定義が一瞬広がっていたのかもしれない。
記憶の彼方にやってしまっていた、自分にとって大切なものを思い出すことができてよかった。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2023年7月11日
- 読了日 : 2023年7月11日
- 本棚登録日 : 2023年7月11日
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