芸術の陰謀―消費社会と現代アート

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本棚登録 : 174
レビュー : 14
制作 : 塚原 史 
脱コットンさん また読み返したい本   読み終わった 

「まったく同様に、理論とは、観念=発想を抱くこと(真理と戯れること)ではなくて、意味が容易に捕まるほど単純素朴だと思い込んで、疑似餌や罠を仕掛けることなのだ。幻想をつうじて、根源的な誘惑の形態を再発見すること」

社会科学における「理論」とは何なのか考えることが最近多い。それは自然科学における「理論」とはやはり性質が異なっている。自然科学における「理論」にも例外はもちろんあることが多いのだと思うけど、社会科学における例外の多さはそれとは比べ物にならない。むしろ、社会科学における「理論」というのは「説得性」とか「魅力」とか「美しさ」とか、そういうもので完成度が測られていて、それが正しいことのようにも思えるのだ。

そうした中、この引用にあるような認識というのは社会科学における「理論」とはどういうものなのかをもう一度捉え直す上で興味深い。おそらく、人間に関連している限り、社会科学の理論は「幻想」から逃れることはできない。そのことを踏まえて、あえてその理論を組み立てる。その意義は、なんらかの発展的な認識をもたらすことであり、そしてそれが絶対のものでないという形で懐疑主義を貫く――これが社会科学の「理論」の立ち位置になるのではないかと思う。

レビュー投稿日
2013年3月27日
読了日
2013年3月27日
本棚登録日
2013年3月13日
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