ブレイク詩集 (岩波文庫)

  • 岩波書店 (2013年11月16日発売)
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感想 : 3

「無心のまえぶれ」・・・人間の宿命を、よく動物に喩えて顕していると思います。赤子・幼子を大切にすること・敬うこと・自分に対して正直であること、「大人」を行うほど分からなくなっていく事が書かれていると思います。人間や社会の風刺も在りました。作者は比喩や隠喩を描くのが上手いと思います。

 「ひとつぶの砂にも世界を  いちりんの野の花にも天国を見  
  きみのたなごごろに無限を  そしてひとときのうちに永遠をとらえる」 


 「天国と地獄の結婚」・・・前半は、世の中で、良いことと思われていることが悪いこと・悪いことと思われていることが良いことという考えを、表現を変えて顕していると思います。箴言が書かれていましたが、作者はここでも動物を人間に喩えています。詩的な観察力があるのでしょうか。史実では、ブレイクは幻視を見たとの事。

 「もし知覚の扉が浄められるなら、あらゆるものはそのありのままの姿の無限を人に顕すであろう」


 「永遠の福音」・・・罪=絶望の赦しが、キリストの教えで価値があるとの事。多数派(majority)ではなく、少数派(minority)に、作者の考えるキリストが味方するとの事。最後の数行に書かれていた、イエスの生き方は、ヘッセの「クヌルプ」の主人公の行き方と似ていると思いました。

 「この形而下の人生はつくりもの、土台も屋根も矛盾だらけ」
 
 

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2017年8月21日
読了日 : 2017年8月21日
本棚登録日 : 2017年8月21日

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