異邦人 (新潮文庫)

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本棚登録 : 8465
レビュー : 1064
著者 :
制作 : 窪田 啓作 
individualさん  未設定  読み終わった 

 社会システムから見て大なり小なりアウトローの人物を主人公にして、社会システムの矛盾、非情、滑稽を描いていると思います。この作品の主人公の性格は、他の作者の造形する主人公に通じていると思います(少なくとも基礎的な部分は)。第一部と第二部に登場する人物達の性格や、その人達の世界観・価値観の対比が鮮やかで、読者に上手く印象付けていると思います。おそらく作者が、この作品にそのような構造を持たせたのだと思います。ただ、第二部で登場する人物達が戯画的に描かれすぎていると思います。
 
 第一部で登場した人物達は、ある程度友情や愛情を行動基準にしていましたが、第二部で登場した人物達は、語り手であるムルソーの視点から見ると、滑稽で非常識な人達の様に描かれていました。けれど、社会システムから見ると、ムルソーが滑稽で非常識な人に映っています。この対比の部分と、この対比を鮮やかに浮かび上がらせたのが、この作品の凄い所だと思います。現実の社会では、ムルソー的な人達の「声」や「訴え」は社会システムにかき消されていると思います。そしてこの「答え」は、よく文学に取り上げられる素材になっていると思います。

レビュー投稿日
2017年6月19日
読了日
2017年6月19日
本棚登録日
2017年6月19日
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