P109 目に見える茶の間には母とテーブル、コロッケを持った皿と箸しかないが、母の脳の片隅の茶の間には親父も善男もいて、時々憶い出し笑いをしながら、煙草をふかし、爪を切り、新聞をめくり、すかしっ屁をする。
初島田雅彦。有名なこの本を。
少し世間の様子と金女酒の選択に時代を感じるところもあるが、軽妙に、そして独特の生死感と偶然のつながりを書いている。文学的だ。最後の死は、こうなるのか、という感じ。
読書状況:読み終わった
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書籍
- 感想投稿日 : 2020年11月27日
- 読了日 : 2020年11月27日
- 本棚登録日 : 2020年11月27日
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