痴人の愛 (新潮文庫)

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本棚登録 : 6154
レビュー : 788
著者 :
imemuyさん 書籍   読み終わった 

p.263
そこには恋人としての清さも、夫婦としての情愛もない。そうそんなものは昔の夢と消えてしまった!それならどうしてこんな不貞な、汚れた女に未練をのこしているのかと云うと、全く彼女の肉体の魅力、ただそれだけに引き摺られつつあったのです。
(略)いや時としてはその卑しむべき娼婦の姿を、さながら女神を打ち仰ぐように崇拝さえもしたのですから。

貞操や情愛を超えた、純粋な肉体の美しさ。しかも悪魔のような肉体の魅力。その自由奔放な精神。
漠然としたあらすじでは、男を手玉に取りつつも知的で美しい女性、というのを想像してた。実際は、わがまま放題奔放でだらしない女性、でもそうなればなるほど崇拝してそれに目をつぶり金を貢げば極上の女性に跨ってもらえる、これはこれで惨めでも幸せな夫婦。
口に息を吹きかけてもらう「友達のキス」、寝れば沐浴すれば冴え渡る肌の白さ、お馬さんごっこ、足首の締まり方と様々な履物、質感と柄の凝ったシンプルでエキゾチックな着物と似合うナオミ、谷崎の倒錯した美学、見事。

レビュー投稿日
2018年10月18日
読了日
2018年10月18日
本棚登録日
2018年10月18日
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