小林恭二作品初読。
「歌舞伎の国のアリス」という感じでした。幹部の一階、役者の二階、混沌とした三階…迷路のようで扉を開けるたびに現れる不思議な世界と踊り、危険な目にあって、三階の奥に住まうと信じられている伝説の人物…。船舞台の謎とヤヤコ踊の哀しさと美しさ。
それと同時並行して起こる、歌舞伎の派閥争いと顔見世の大舞台による張り詰めた緊張感。事件と疑惑の噂。
21世紀の歌舞伎が大流行して、全ての人の熱量と関心と金が歌舞伎に集まっている世界線なら起こり得たかもしれない、歌舞伎を舞台にしたファンタジー、キラキラしい歌舞伎と先の全く読めないドキドキ感が面白かった。
ところどころ挟まれる長唄?狂歌?の意味を理解できる感性と歌舞伎の知識が私になかったので、どこまで実在の歌舞伎を踏まえているのかが読み取れず、残念でした。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2018年7月16日
- 読了日 : 2018年7月15日
- 本棚登録日 : 2018年7月15日
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