紙の動物園 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)

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本棚登録 : 927
レビュー : 120
制作 : 古沢嘉通  古沢嘉通  牧野千穂 
immrmさん 小説   読み終わった 

先月にテッド・チャンを読んで非常によかったのだが、他に邦訳がないので、同系列のケン・リュウを読んでみた。
中国系の登場人物や舞台、文化をベースにしていて、他に読んだことがないテイストのSF短編集。
SFというよりファンタジーかというのもある。
一部、難しくてよくわからない話もあるが、総じておもしろい、というか凄い。お薦め。

以下は読書メモ:

紙の動物園
紙で動物を折ると動きだす。壮絶な過去を持つ母親と、その息子の話。母が死んでから知る深い愛情が切ない。

もののあはれ
地球に小惑星が衝突するため一部の人が地球を脱出した。十数年航行して宇宙船に致命的なトラブル発生。唯一の日本人乗組員が数日がかりの修理に出るが…

月へ
法律事務所に勤めるサリーは難民を助けようとするが裏切られる。

結縄
縄を結ぶことで読み書きする部族。それを新薬開発に応用しようという企業。

太平洋横断海底トンネル小史
歴史が違って昭和の初めに太平洋横断海底トンネルが作られた。その掘削に従事するある人の話。陸の上にはもう住めない。

潮汐
月が地球に迫り、満ち潮で海面が上昇していく世界。

センバツ宇宙種族の本づくり習性
宇宙人の記録方法を何種族か説明。

心智五行
トラブルである惑星へ1人たどり着く。
そこにいた異星人と交流していく。
人類は病気を引き起こすバクテリアのない世界にいたが、その星は地球人が大昔に移住したらしく昔の地球のような生活をしていた。

どこかまったく別な場所でトナカイの大群が
人間が電子化した世界では何次元もの空間に生きている。母は最後の実態がある世代。

円弧(アーク)
人間の死体を残す仕事。
不老不死が実現しつつある世界。
最後の子供は最初の子の100年後。


地球から400年、何世代にも渡る旅に出る宇宙船。途中で地球から連絡があり、不老不死の方法が見つかる。
目的の惑星に着いたら、機械のような異星人?に迎えられるが、それは…

1ビットのエラー
著者付記によると、この話には三つの着想の源があり、そのひとつがテッドチャンの「地獄とは神の不在なり」。なるほど、天使降臨が出てくる。
それにしても、ここまでで一番わからない短編だ。

愛のアルゴリズム
これも難しくてよくわからなかった。
テッドチャンの「ゼロで割る」からの着想だそうだ。
機械仕掛けの人形 鬱病

文字占い師
選んだ文字(漢字)から、その人を読み解く。その術を持った爺さんには、戦争の悲惨ね経験があった。
拷問シーンが出てきて読むのが気持ち悪くなる悲惨な展開となる。

良い狩りを
妖狐の母娘と、妖怪退治をする父息子の、香港の話。
イギリスから蒸気機関車などが入り世の中が都会化して、妖狐の娘は魔力が落ち、狐の姿に戻れなくなる。息子は妖怪がいくなって仕事がなくなり、街に出て技術を身につける。
最後はまさかのサイボーグ…

レビュー投稿日
2017年7月6日
読了日
2017年7月6日
本棚登録日
2017年7月6日
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