夜。深更。
その日いちにちかけて己が念入りに晒した痴態を寝床で思い出す。
頭蓋骨一面に恥づかしさの黒い花が咲き誇り、たまらず呻く。
声ならぬ声で、地球上の有象無象を相手どって罵詈雑言をつぶやく。
花を踏みつける狼藉に汲々としているうちに、眠りに落ちる。
隠し通してきたはずの自意識いんへるの。孤狸庵先生の目にはバレていた。
脱獄こそできなくても、先生の文章をつうじた自省にはなる。いまは穏やか。
読書状況:積読
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- 感想投稿日 : 2021年10月27日
- 本棚登録日 : 2021年3月8日
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