物語の中核、都市銀行としては小さな阪神銀行が、自分より上位の大同銀行を呑み込む策動が動き出す辺りから物語は俄然面白くなる。
阪神銀行頭取の万俵大介が権謀術数で家族を不幸に巻き込みながらも己の欲望を満たして行く様に嫌悪感を抱きながらもストーリーに引き込まれて行く。
「自らの欲望を遂げるためには、冷然と金の力で自分に都合のよい正義を作り変えることの出来る男」
万俵大介を表す的確な言葉だろう。
物語のいたるところに出てくる馴染みある土地。
神戸を舞台にしたストーリー展開も嬉しい。
阪神銀行があるのは元町栄町通であるし、南京町、北野坂、六甲山など地名もさることながらドンクやオリエンタルホテルなど固有名詞で登場する場所が嬉しい。
息が詰まりそうなドロドロとしたドラマだったが重厚感はさすが山崎豊子だ。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2019年7月21日
- 読了日 : 2019年7月18日
- 本棚登録日 : 2019年7月18日
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