すべてがFになる (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (1998年12月11日発売)
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本棚登録 : 25558
感想 : 2819
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森博嗣さんのデビュー作であり、本格ミステリーと評される本作。
残り100ページ辺りまで、まったくトリックが分からなかったが、それが明かされた際には辺りを掠めていた靄が一気に取り除かれるような爽快感があった。
「全てがFになる。」の謎のメッセージのトリックも工学博士である森博嗣さんならではのもので、とても分かりやすい内容でした。
それにしても作中に登場するデボラ(AI?)やVRなど、現代では当たり前のような技術は読んでいて全く違和感がなかったのだが、登場人物の女性のファッションがどうも時代錯誤だなぁと調べたら、本作は1996年に出版されたものだと聞いて非常に驚いた。当時はまだOSがwindows95の時代。その頃からAIやVRといった技術は予想はされてはいたであろうが、ここまでのボリュームに仕上げて、なお現代の技術に近しく見えるのは、まさに森博嗣さんの先見の眼といったところだろうか。
2014年に武井咲さんと綾野剛さん主演でドラマ化されていたので、その脳内キャストでも楽しめた。同じS&Mシリーズもこれから楽しみです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2020年11月29日
読了日 : 2020年11月29日
本棚登録日 : 2020年11月24日

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