世界を売った男 (文春文庫 チ 12-1)

著者 :
  • 文藝春秋 (2018年11月9日発売)
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デヴィッド・ボウイの同名曲がモチーフの華文ミステリー。華文翻訳初体験だが、北欧ミステリーに比べ断然馴染み易い文体なのは、やはり原文との言語的相違が少ないからかと思ったり。本編はクールなトーンでサクサク進み、主人公と相棒役が香港の街を練り歩く描写には紀行小説の趣きも。記憶喪失の真相が明かされる中盤以降は緊張感が薄まり、肝心の終盤は盛り上がりに欠けたが、伏線回収を含め、トータルでは綺麗にまとまって好印象。香港映画をノベライズした雰囲気と表せば割としっくりくるかも。話題作となった「13.67」も読むのが楽しみ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2018年11月15日
読了日 : 2018年11月15日
本棚登録日 : 2018年11月15日

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