金融の知識が浅いので、いまいちピンときていないのかも。読むのが少し辛かったけど、専門書としては優しめ。
何度も出てくるように、貧困世帯の抱える障害として①収入が少ない、②収入を得られる時期が決まっていない(毎日1日2ドルずつお金が入ってくるわけではない、収入の上下動を予測できない)、③世帯のキャッシュフローのパターンに必ずしも適合しない金融手段に頼ってやりくりしなければならない、ということが考えられる。
これらの障害に対して捕捉できるような金融サービスをどうすれば提供できるかが主題。例えばローンを有効活用することで季節による影響を緩和して消費活動を平準化させリスクを管理できる。
サンプル数は少ないのかもしれないが、定点観測しているからこそ、貧困層のやりくりの努力や収入を管理するための手段に不満を抱いていることが明確になっている。一見合理的でないインフォーマルな金貸しの利子率は手数料と考えていることや、やはり病気等何かしらのハプニングで最貧困層に転落したり、彼らが資産を消費する要因は冠婚葬祭で特に祭りである等なるほどーと思うこともちらほらあり、貧困層の生活を想像しやすい。当然だが、何かあった時に最も煽りを食らうのが貧困層だなと改めて。
肥料を購入できるような金融ツールが提供されると化学肥料を使用する農家が増え収穫量も増加したという事例はまさに金融ならではのアプローチ。生きていくにはいかにお金を管理するかが大事で、人々の生活に密着しているのがこのアプローチの魅力。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
国際協力
- 感想投稿日 : 2016年2月18日
- 読了日 : 2016年2月18日
- 本棚登録日 : 2016年2月18日
みんなの感想をみる