悲しみの歌 (新潮文庫)

3.97
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本棚登録 : 769
レビュー : 95
著者 :
ひじりさん その他邦文学   読み終わった 

『海と毒薬』の続編とも言える作品、
ということで『海と毒薬』も読みたくなりました。

テーマはとても共感できるし
いい作品だと思うんだけれど★3なのは、
ちょっと人物描写と設定が安易な気がしたのと、
勧善懲悪感がしたから。
人物描写はもしかしたら意図的に戯画化したのかもしれないけれど、
それにしてはストーリーがシリアスかな。
それから新宿という都会でそんなに人はタイミング良く出会わないだろう、
と思わずにはいられないくらいの人の重なりあい。
遠藤周作は『深い河』『沈黙』と過去二作品を読んでいるけど、
この作品は二つに比べ単純過ぎるように思う。

テーマとストーリーは素晴らしく、
私が遠藤周作に求めるそのままでした。
ま、陰気なんだけど。
人間ってそんなにできていないんだぞ、とか、
この世の中って不平等なんだぞ、とか。
でもその中でも救いがあって、
それは遠藤周作にとってはキリスト教で、
この作品ではそれを象徴しているのがガストンで
(ところでガストンは『深い河』にも出てきた?)
そして普通のまっとうな人も存在する。
本藤喜和子とか、野口とか、他何人かね。

とか考えると、うーん、考え始めてしまう。
やっぱりこの作品は素晴らしいのかもなー。
私はガストンにはなれないけれど、
せめて野口くらいの見識は持つ人でいたい。

レビュー投稿日
2013年4月12日
読了日
2013年4月12日
本棚登録日
2013年4月12日
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