選別主義を超えて―「個の時代」への組織革命 (中公新書)

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著者 :
inu-no-mimiさん 本・雑誌   読み終わった 

能力主義にしても成果主義にしても、既存の大枠の中の配分や動機づけにすぎず、きわめて人為的・技術的色彩の濃い制度
→選別と序列づけの一つの方法にすぎなくなっている
「閉ざされた能力主義」

いったん選別のシステムが出来上がると、選別する側はそれを手放そうとしない。そればかりか、「どんな人物を選抜するか」より「どんな選抜手段をとりいれるか」に議論が集中する。結果として技巧を凝らした精緻な制度となり現実とかけ離れる。

選別基準にたとえばボランティアの活動歴を盛り込みシステムを肥大化させるのはまさに本末転倒。

努力を評価する問題点−評価者の目を意識したファサード【見せかけ】行動
ゼロサム型の競争が繰り広げられている場合、無意味な行動は本人のみならず広く関係者に及ぶ
→意欲や態度は本人にとっては重要な要素だが、社会的な価値はない

仕事の割り当てや配属も組織主導‐会社と個人の意思が食い違った場合、会社の都合が優先される。
組織内部の最適化を追求するほど、外の世界や個人の意志から乖離してしまう。そして閉鎖的なシステムは破綻する。

生理的欲求(安全・安定の欲求)経済人
社会的欲求(所属と愛の欲求)社会人
承認の欲求(尊敬・自尊の欲求)自己実現人
└従来マイナスのイメージも付随していたが、今後はこうした外的基準を必要とすることが多い。

●組織のタイプ
・細かいルールや命令・服従を特徴とする
-機械的組織・官僚的組織
・全体と部分が密接に結びつき豊富なコミュニケーションや相互作用によって運営
-有機的組織

・OS/プラットフォームのように個人が活動する場を提供する役割
-インフラ型組織へ
一般の組織におけるインフラとは?

●「世間」の役割
「世間」は多元的であるが、権力者や政策によって直接統制できないという点では、市場と同様、中立的

裏を返せば、理性や正義といった市民社会の価値が軽んじられる可能性もある。
└世間を全面的に信頼するのは危険であり、理性や正義を注入するための啓発活動や強制介入が必要な場合もある。世間の成熟によりわが国特有の社会的装置になりうる。

レビュー投稿日
2018年10月18日
読了日
2004年6月5日
本棚登録日
2018年10月18日
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