カンガルー・ノート (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (1995年1月30日発売)
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本棚登録 : 2526
感想 : 212
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読んでいくうちに、主人公にとっては何処までが現実で、どこからが現実ではないのか、分からなくなってきた。
でも、所々シュールな場面もあるし、色々なパワーワード的なものも出てくるので、全編を通して楽しく読むことが出来たし、何よりもユーモラスで読みやすかった。
とは言っても、安部公房作品は、砂の女とこのカンガルー・ノートしか読んだことはないが…

最後に現実世界で発見されて……と言う結末なのだが、この物語の中で起こっていることは、一体主人公にとっては何だったのだろう。どの時点からこうなっていて、どの時点で死んだのだろう。
何だかとても不思議な気持ちになった。
本当は脛からかいわれ大根なんて、生えて無かったんじゃないのか?でも、そうだとしたら最後の新聞記事は一体…何らかの理由で、廃駅の構内へ迷い込んでしまったのでは?全て(勤め先から何まで)主人公の妄想ではないのか?等々、考えてしまってこのままでは眠れなくなってしまう。笑
そもそも、かいわれ大根が脛から生えるって、とんでもなくシュールだなとか訳わからんと思うけど、読みやすさの陰には、実は「死」と言うものがテーマとしてあるらしく、そう考えると下水道以後は死後の世界?トンボ眼鏡の看護婦は何かのメタファーなのか?

もう一度読みたい。

1日あれば読めると思うし、気楽に手に取って読める本なので、是非読んで不思議世界を味わって欲しいですね。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2019年10月30日
読了日 : 2023年7月23日
本棚登録日 : 2019年9月28日

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