黙示録 映画プロデューサー・奥山和由の天国と地獄

4.52
  • (13)
  • (9)
  • (1)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 94
レビュー : 8
inumaroさん  未設定  読み終わった 

奥山和由がプロデューサーとして活動していた90年代、ぼくはほとんど映画を見ていなかった。それでも彼の名前は悪い印象とともに知っているのだから、当時、相当ネガティブな報道がされていたのだろう。2002年に高田馬場の名画座「早稲田松竹」が閉館したとき、早稲田の学生の間で「あれは奥山のせいだ」という噂がたったこともあったなあ。そういう色眼鏡のもと読み始めたら、奥山和由の映画やクリエイティブにかける思いがとても熱くピュアで驚いた。印象が180度変わったと言ってもいい。

中で出てくるエピソードが、どれも濃い。特に深作欣二や北野武とのエピソードは、それ自体が映画になるような内容だった。「ハチ公物語」を撮るために、東映の岡田茂や東急電鉄の五島会長に会いに行く様子は、月村了衛の傑作小説『悪の五輪』を彷彿とさせる。吉本興業・大崎会長との因縁も興味深いが、意外とあっさりめ。ここはかなり抑えめに書いたのかな。

早稲田松竹の件への記述がなかったが(もとはあやしい噂だし、当然だよね)、この本を読んでいると、彼が手掛けた映画を見たくなってくる、邦画に興味がある人は必読!

レビュー投稿日
2019年10月29日
読了日
2019年10月29日
本棚登録日
2019年10月29日
2
ツイートする
このエントリーをはてなブックマークに追加

『黙示録 映画プロデューサー・奥山和由の天...』のレビューをもっとみる

『黙示録 映画プロデューサー・奥山和由の天国と地獄』のレビューへのコメント

まだコメントはありません。

コメントをする場合は、ログインしてください。

いいね!してくれた人

ツイートする