1作目は個人的にかなり良い出来と思ってまして、けれど間違って先に読んじゃった3作目はそれを比較するとずいぶん出来が落ちてしまったように感じちゃいました。
で、ようやく2作目の本作を手に取ったわけですが、1作目の出来が良すぎたので、読む前はあまり期待していませんでした。
本作は某宗教法人によるテロを模した内容。都内のどこかに爆弾を仕掛けた犯人の要求は「宇宙心理の会」の教祖、死刑囚御厨徹の解放。
設定自体はさほど目新しくは感じず。けれど展開は序盤からスリリングで終止テンションが落ちず、500ページオーバーのボリュームなのに、それを感じさせないストーリーの「惹き」がありました。
今回の事件で「怖い」と感じたのは、情報の錯綜による一般市民のパニック。誰もが携帯端末を通してインターネットに情報をアップロードできるようになった現在、タクシー内の何気ない会話ですら、爆発的に、あっという間に世界に広がってしまうこともあるんですよねぇ。(40ほど前にすら、豊川信用金庫事件なんてのもあったくらいですから、たとえデマだったとしても、その影響度は計り知れないほど大きくなってるんじゃないですかね。)
ところどころ、小さな点で気になるところ(犯人とのやり取りで使用するパスワード強度の点とか)はありましたが、それを補ってあまりある面白さがあったと思います。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2015年1月25日
- 読了日 : 2015年1月16日
- 本棚登録日 : 2015年1月17日
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