
ブラム・ストーカーの子孫が書いたという(本当かな?)「ドラキュラ」の正統続編。途中ブラム・ストーカー本人が出てくるところだけがやや失笑感あるものの、上巻読了時点ではわりと満足な出来。
「ドラキュラ」の続編といえば、キム・ニューマンという作家の「ドラキュラ紀元」なるものがありますが、あれは原作を冒涜しまくった最低の小説でした。特に許せなかったのは、ドラキュラに婚約者を奪われたアーサー・ホルムウッドが自ら望んでヴァンパイアになっていたという設定。原作知ってたら絶対にありえない設定に、読んだ当時それは憤慨したものです。
本作の作者も同じように感じていたのかわかりませんが、本作のアーサーは時を隔ててもやはりルーシーを心から愛していたことがうかがえ、行動も考え方もあてつけのように「紀元」とは真逆。私としては本作における“かつての”登場人物たちは、紛れもなく「ドラキュラ」に登場していた人たちのように感じられました。
上巻でちりばめられた多くの謎や複線らしい内容が、下巻でどのように収束していくのかが非常に楽しみです。
- レビュー投稿日
- 2013年4月26日
- 読了日
- 2013年4月26日
- 本棚登録日
- 2013年4月26日
『新ドラキュラ(上) (文庫ダ・ヴィンチ)』のレビューへのコメント
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