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もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら
- 岩崎夏海
- ダイヤモンド社 / 2009年12月3日発売
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ドラッカー「マネジメント」の実践編とてわかりやすかったです。小説としても読み応えのある内容でした。電子書籍で読みましたが、一気に読むこことができました。
2010年5月12日
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プロフェッショナルの条件 いかに成果をあげ、成長するか (はじめて読むドラッカー 自己実現編)
- ピーター・ドラッカー
- ダイヤモンド社 / 2000年6月29日発売
- 本 / 本
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自分が自分であるために何をしなければならないか。知識労働者であることに甘えてはいないか。組織の中での自分は何をすべきか、あるいは組織を機能させるために自分は何をすべきか。
日頃かかえている悩みを解決するための示唆を与えてくれる。また、過去に学び一時は啓発されたにもかかわらず忘れていた手法を思い出させてもくれる。
全体を通して、読みやすく構成されているため、ふとした空き時間に読み返すことが可能であるため、職場の机上や、自宅で目に届くところにおいておきたい一冊である。
2010年5月11日
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デジタルネイティブが世界を変える
- 栗原潔
- 翔泳社 / 2009年5月13日発売
- 本 / 本
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物心ついた頃からデジタルで育った「ネット世代」について、登場の時代背景・行動様式、ネット世代との関わり方、社会変革への展望について書かれています。
日本においても「ネット世代」が社会に進出し始めており、今後人口ピラミッドの中でその比率が高まっていくことを避けることはできません。「ネット世代」を正しく理解し、上手く付き合っていくための示唆が得られる本であると感じました。
アラフィーの我々も、学生時代に当時世の中に出始めた8bitワンボード・マイコンや、いわゆるPCに出会い、社会に出てからも先輩たちが持っていないKnowHowを持っていることの恩恵に預かってきました。しかし、我々は、デジタルを“テクノロジー”として捉え、いかに精通しているかが差別化ポイントであるのに対し、「ネット世代」とってデジタルは“環境”であり、他との差別化に利用するのではなく、個々人の発想、他とのコミュニケーションに当り前の様に使用しています。「ネット世代」と家庭、職場、社会で世代間ギャップを生みださずに、良い関係を構築するために読むべき本の一つであると思います。
この本の中では、「ネット世代」の行動基準を以下の様に記述しています。
『ネット世代は自由を評価する。自分がなりたい人物になり、選択自由があることを評価する。あらゆるもの、たとえば、自分の職業すらもカスタマイズしたがる。懐疑的になることを学んでおり、メディア(インターネットも含めて)で見聞きしたあらゆるものを精査しようとする。ネット世代は誠実性を評価する。正直であり、思いやりがあり、透明性が高く、自らの信念に背かないことを評価する。職場においても、そして、友人との間でもコラボレーションを得意とする。そして、イノベーションを行うことを好む。』
人間は理解できないものに対して、恐れを抱き、排他的になる傾向があります。「ネット世代」の行動基準を理解することにより、私の「ネット世代」に対する偏見が減ることを期待します。
我々の世代はface to faceでのコミュニケーションを行ってきました。このコミュニケーションの弊害として、話者というコンテクストが、話題(コンテンツ)の信憑性を必要以上に修飾してしまうことがあります。本来でればコンテツの信憑性を検証するステップが必要あるにもかかわらず「○○さんが言ったことだから」ということで自己を納得させる行為が、信憑性の検証に取って代わり、大きな失敗に結び付くことがあります。
これに対して「ネット世代」が行うサイバー上でのコミュニケーションでは、見知らぬ関係であるが故に、情報の信憑性がより重要視されるのではないでしょうか?2ちゃんねるにおける「ソースは?」に代表される情報源の要求、また別ウィンドウでは、グーグルやウィキペディアによる検索が行われていることでしょう。これらの行為により、流通するコンテンツがより洗練されていくことを「ネット世代」に期待したいと思います。
我々「プレ・ネット世代」は「ネット世代」の行動様式を理解することにより、世代間ギャップを埋めていくことは可能でしょう。これを年齢を軸とした垂直統合とするならば、同じ「ネット世代」に生を受けた人々でも、デジタルの恩恵を受けていない人々とのギャップ拡大が懸念されます。いわゆるデジタル・ディバイドでしょうか。この水平統合をどうしていくかの議論が少し遅れているようにも感じます。
ドン・タプスコットの前作「ウィキノミクス」を読んでいても感じた事なのですが、「ビットの世界」については、多くの調査、考察が行われていますが、「アトムの世界」に対してデジタル社会がどう関与するかの議論にも期待します。
お勧めの一冊であることは確かです。
2010年5月12日