クラスメイツ〈前期〉 (角川文庫)

  • KADOKAWA (2018年6月15日発売)
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本棚登録 : 978
感想 : 53

さてさてさんからの『森絵都さんならこの作品』という推薦で、時間ができたので覚悟と気合を持ってお取り寄せ。
すべてのクラスメイトの視点で毎日が語られる。章の最初にテーマと似顔絵イラストがあり、キャラの特徴がイメージしやすい。級友の人間関係や家族背景、心情など説明的になりすぎず惹きこまれるように物語が進んでいく。気合なんてなくても夢中になれる。思春期の独特な暗黒の時期のあまり思いだしたくないような不穏を予期する時間が丁寧に描かれている。後期も読まなくちゃ。藤田先生の水泳部勧誘が妙に気になる。
「ひだまりのような友達の色。」「何かに勝ったつもりで、何かに負けていたのかもしれない。」「子どもの世界で目立つのは危険だ。」「ずっとたしかなものなんて、この世に一個だってない。」「栄養士の先生は生徒の健康だけでなく、ときめきを大事にしてくれる。」「たとえば男子が縄文人だったら女子は弥生人、一足さきに金属器をゲットして、稲作にもトライしているみたいな。」

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2022年12月18日
読了日 : 2022年12月18日
本棚登録日 : 2022年12月18日

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コメント 2件

さてさてさんのコメント
2022/12/18

ベルガモットさん、お読みになられましたね。
クラスの全員への視点回しという作家さんの筆の力が試されるような作品ですが、前期12人の個性の描き分け見事ですよね。流石の森絵都さんだと思います。
中学生というところに独特の味が出ているようにも思いました。
後期もお楽しみに!

☆ベルガモット☆さんのコメント
2022/12/18

さてさてさん こんばんは!

さてさてさんのおかげで出会うことができた物語です。ありがとうございます。
タイムマシンに乗ったような忘れていた心の片隅にあった思い出も一緒にごちゃまぜになったような心持ちです。確かに高校生じゃなくて中学生というのが独特な世界になっているのかもしれませんね。
まだ登場していない人物がどうなるのかな、事件は起こるのかなと思いながら後期を取り寄せてます。楽しみです!

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