乱飛乱外 (5) (シリウスKC)

  • 講談社 (2008年6月23日発売)
3.23
  • (2)
  • (4)
  • (19)
  • (0)
  • (1)
本棚登録 : 97
感想 : 4
5

あからさまに誤解から始まった恋にこりゃー痛々しいなと思ったのもつかの間、あっと言う間に雷蔵がかっこよく見えてくるから困る。
雷蔵が惚れたり落ち込んだり必要以上にピュアなのは、女っ気がないというレベルじゃない悲惨な過去を過ごした設定からすればむしろ自然なんだけど、ちょっと見ていて歯がゆくもある。だからこそかがりの健気さやつなみ姫の思いがカタルシスを呼ぶのだけど。
いやなんだかんだ言っても結局こういう見事な作劇でなにもかも帳消しになっちゃうんだからゴチャゴチャ言うだけ野暮か。

最初の姫丸と父のエピソードはものすごくあちこち倒錯的なのに最終的に「機知で父を乗り越え、父もまたそれを認める」いい話のような形に収まってたのがまるでチャンピオン漫画のような煮え加減だった。チャンピオン漫画と違うのはもっと洗練されて、煮えていることすら読者に意識させないところだ……!(それはいいことなのか悪いことなのかはわからない)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 講談社コミック
感想投稿日 : 2008年6月25日
読了日 : 2008年6月25日
本棚登録日 : 2008年6月25日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする