まじもじるるも (2) (シリウスKC)

  • 講談社 (2008年8月22日発売)
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感想 : 7
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「女子のパンツは 空よりやさしいんだぜ」 言葉の意味はよくわからないが、とにかくすごい自信だ!
全校の男子の汚れ役を一手に引き受けた強い男ならではの含蓄のある言葉ということか……。

思春期の男子はリビドーで戦友(とも)となれる。シバのような男は客観的に見てろくでなしかもしれないが、同世代の少年にとって一目おける勇者であるのも事実。男子がシバと仲良く付き合うことにはメリット以上のデメリット(女子の冷たい目線)があるだろうが、それでもシバの交友関係が広いのはそういう男が男にほれるという面もあるのだろう。
あ、もちろん友達としてはすごくいい奴であろうことも含めて。←とってつけたみたいになっちゃいましたね

一方でるるもが同姓からつまはじきにされていたというのが、綺麗な対比構造になっていて面白い。
いまのところ魔界の男性が登場していないが、これまでの描写を見るかぎり(魔界に男性がいたとしても)るるもには相当の距離をとっていたように見える。どんな可愛い子であろうと女子の中のいじめられっこには距離をとってしまう、というのだとしたらリアルだが生々しくてイヤだな。
もちろんそこにシバという空気を読まないいいやつが関わることで救いが生まれるわけですが! 「おまえがバカすぎて 私はうかれる」

巻ラストの子猫のエピソードは、うん、どうこう言えないくらい見事にうまい話なんですよ。
シバにそのつもりは毛頭なかったし、ジケンはわかってなおそうしたのであってそれが幸せだったのだろうし、それでもシバは本気で泣いて本気で落ち込んだし、コメディの中で生死というこの作品の裏テーマをリアルに読者に突きつけるカードでもあるわけだし。
ほころびのかけらもない完璧な構成なんだけど、それでも後味がいいとは言えないわけで、なんとかならんかったものか。ならんのだろうけど。というモヤモヤした気持ちはどうしても残ってしまうな。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 講談社コミック
感想投稿日 : 2008年8月26日
読了日 : 2008年8月26日
本棚登録日 : 2008年8月26日

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