この本はプラグマティズムに貫かれている。
この本はシステム開発プロセスについて、工学的な理想ではなく国内の現場における今の問題点をとらえた上で、何が出来るのか、何をするべきなのかを書いている。工学の軽視ではなく、基礎としての工学の重要性を示しながら、ただ、上っ面だけの理解による実プロジェクトへの弊害はしっかりと書いている。
著者は問題点の一つとして、受発注関係なく技術者の勉強不足、というより体系的な知識の不足を上げている。基礎となる知識体系やテクノロジに対する知識があやふやなまま、自分のわずかな経験だけが知識の全てであると錯覚し、それらを学習をすることもなく、多くの年月を過ごしてしまっているし、そういったものがないまま自分が一人前だと錯覚している状況にあると著者は書いているが、これには同意するところが多い。
ただ、この本を読まなければならない人ほど、本屋にも行かないし、この本を見つけることなく、手に取ることもないのだろうな。あーまさに負のスパイラル。。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
システム開発
- 感想投稿日 : 2006年6月25日
- 読了日 : 2006年6月25日
- 本棚登録日 : 2006年6月25日
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