騎士団長殺し :第2部 遷ろうメタファー編

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本棚登録 : 3736
レビュー : 550
著者 :
isukeeさん 小説   読み終わった 

ページを繰る手を止めさせない
ぐいぐい読ませる内容はさすが!と感じた、やっぱり面白い
面白いけど、新しいスタイルや哲学の提示はなかった、いつもの村上作品
穴があって 美少女がいて 史実との関連があって
まるで、ねじまき鳥クロニクル の再構成版のよう

これまでの作品と同様に
喪失感や虚無感をイシューにしてるので、
生きることにおいて緊迫した問題を抱える人にとっては
どうでもいい作品、けど 面白い
フィクションだから 目くじらを立てることは不毛だけど、
南京の件は バイアスがかってて ちょっと がっかり
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騎士団長は 「私」と同一、
before/afterでいうところの beforeの「私」を象徴するもの
自問自答する時の自答者の暗喩的存在が騎士団長なのだろうと思う、なので 自分の味方であり 自分の望むことを表現してくれる
afterの「私」になるための兆しを示してくれたのは、
「私」が実はそうなること(変わること・過去を克服すること)を薄くとも望んでいた証左だと思う

コミの死 やその喪失感が「私」の人格形成に大きく影響していて、
物事の捉え方・哲学・ロジックの起点になっている

ユズとの離別にも 抗ったり 自分の意志を明示することなく、「私」は去った、これも コミの死にとらわれた「私」の判断

騎士団長を殺す、川を渡り閉所恐怖症なのに細穴を抜けたことは、過去の自分との決別であり 成長のための過程
そうして祠の穴に着地して、
ユズと会って話そう!という決意に至った。

「ユズと会って話そう!」と
秋川まりえの免色邸宅脱出後の「私は自由だ どこへだって行ける」は、たぶん同じ意味合いで、
似た者同士が 心を交しながら それぞれの試練に立ち向かって、成長し、過去の自分では やれなかったことにチャレンジしていく様であったように思う

トラウマと一括りに呼ぶのは早計だけど、
誰もが抱える逃げたい苛烈な過去事案によるココロの制約を外すために、過去を直視し直して再定義して未来へチャレンジしていこう、という所謂 成長ストーリーが本作の主旨かと捉えた
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レビュー投稿日
2017年12月14日
読了日
2017年12月14日
本棚登録日
2017年11月29日
4
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