光圀伝 (上) (角川文庫)

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大人になっても童心を失わない人ほど愛情が深く、愛嬌があり、だから皆から慕われるという。
光圀は虎の子のようではあったが、まさにそのような人だった。
光圀は日本一の詩作となろうとしている。そこに、同じく詩作の頂を目指し精進している細川為景、目指すところは違うが光圀に直言してやまない林家の読耕斎らが若い執念を燃やして生きていく。
後世に伝える人の生き方や物語は、その当時はまぎれもなくそうであり、また、人がうごかされ、現世にあっては、人に生きる意義や目標、人生観を決めう得るべきものである。光圀の目指した史書編纂は、そういう思いで進められた。
史書、歴史小説はそのとき生きた人の命の記述である。写真やビデオでは、単に表面的な記録でしかない。命の記述とは、内面の、思想の記述であり、他の人にも大いに参考にすることができるものであり、万人に意味のあるものになる。光圀の目指す史書は、歴史の出来事を記載したものではなく、人倫を明示する史書であった。正義や道徳、哲学など、後世に道義を伝えるべきものとして編纂したのである。
光圀や林羅山は、徳川三代の時代になってようやく、戦国の世から史書編纂、出版を通じて、日本を戦国の世から文事の世へと変革させたのである。
そして、本署はクライマックスをむかえるのだか、水戸黄門、紋太夫、水戸家の血を引く最後の将軍に歴史的な役目を果たす思想へと繋がっていく。

光圀は、死者を看とることが多い人生だった。73歳まで生きた。
家族、兄弟、友人に恵まれた人生だった。
全2巻

レビュー投稿日
2019年8月14日
読了日
2019年8月17日
本棚登録日
2019年8月4日
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