新装版 孫子(上) (講談社文庫)

  • 講談社 (2008年7月15日発売)
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感想 : 12
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孫子の兵法を記した,孫武とその5世孫臏の話。上巻は孫武。下巻が孫臏。
本書を読むまで,孫武とは百戦錬磨の将軍だったのだろうと勝手に想像していたが,全く違った。戦争の研究家で,文人肌の人間のような感じだったのだなと思った。しかし,研究家で机上の論理であり,実践では使えないだろうという呉王闔閭の問いに対し,『理は形(実)を離れたものではありません。形の中に理を見て整理したものであるので,理の中に形が有るべき道理です。理は即ち形であり,形は即ち理です。実地に応用して役に立たないはずはない』と言い切っています。戦についても,『戦わざる以前に既に勝っていなければならないと。戦って勝つのではなく,既に勝っているものを自ら確認し,敵に確認させるために戦は行うのだと。』策についても『情勢によって施すのが最も良いと。前もってここから手を付けて,こう向こうが出たらこうというように決めてかかっては,ことが予想通りに運ばない時にはかえって途方にくれることになる』と。
次に孫臏。この人は,宮城谷氏の小説で出てきたの幾分は前知識があった。友人であり,援けて来た龐涓に罠にはめられ復讐の鬼になるが,中国では結構こういう場面に出くわす。伍子胥などもそう。『世に必勝の算はない,すべて比較的なものだ。』『斉の威王にこういう話がある。威王の宰相の鄒忌が言った言葉に,妻が自分を立派と言うのは贔屓しているからで,妾が自分を優っていると言うのは恐れているからで,来客が自分を美しいと言うのは機嫌をとっているからです。このように人は真実を知りがたい状況にあると。』『巧遅は拙速に及ばず。合戦において,躊躇逡巡ほど悪いものはない。だから優れた将軍は瞬間に最も効果ある方法が見つけれるよう訓練しているもの,またはその天資が備わっているものである』と。
全2巻

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 中国史
感想投稿日 : 2010年4月15日
読了日 : 2010年4月15日
本棚登録日 : 2010年4月15日

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