前1600年前後。夏王朝の最後から商王朝の初期に活躍した名宰相伊尹(文中では摯)の物語。伊という国に生まれ,赤ん坊の時に洪水にあい,桑の木の舟に載せられ流された摯が厨房の腕をかわれて夏王桀に会い,桀を怨みながらも憎め切れない摯。最後は商王湯から三顧の礼を受けるなど見出された摯も湯を慕うようになり,結局は夏を滅ぼすこととなった。夏王桀は暴君と言われることが多いが,夏王朝最後の方は桀も人として成長し,それほどまでの暴君を思わせないような締めくくりとしている。
『この世を長く生きていると恨みばかりつもるものだ。その恨みをどう残し,どう捨てるかで生き方が違ってくる。』この言葉が好きだ!
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
中国史
- 感想投稿日 : 2008年4月12日
- 読了日 : 2008年4月12日
- 本棚登録日 : 2008年4月12日
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