ロバート・K・グリーンリーフの「サーバントリーダーシップ」という570ページにも及ぶ難解な大著と格闘。どうにか読み切った後にその内容の理解を深めるため、本書を図書館で借りてざっと一気に読んだ。
全体として非常に(グリーンリーフの原著に比べると100倍)読みやすいという印象。
ただし、原著の第1章にのみフォーカスしているので、トラスティなどに関する内容は一切こちらには出てこない。だから「入門」なのだろう。
まずは第1章において金井壽宏氏によるサーバントリーダーシップの概念の解説。原著を翻訳した本人が書いているので、内容が曲解されて書かれているということはない。
2章ではサーバントリーダーの実践事例として資生堂の元社長である池田守男氏が紹介されており、奉仕型リーダーによる企業改革の具体例と、そのようなリーダーになるまでの生い立ちや社員時代などが綴られている。学生時代にキリスト教に傾倒し、入社以来秘書業務一筋であったことも奉仕の精神を自然に身につける一助になったようである。
そして2章の内容を金井氏と池田氏による対談という形で振り返りながら、要点を再度示している(ので、やや冗長的な印象もある)。
なお、本書を読んだ後に原著にチャレンジすることはお薦めしない(あまりにも難解なので、おそらく十中八九挫折すると思われる)。本書のみ精読するか、原著を苦労して読了した後の理解の整理として本書を読むのがよいだろう。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ビジネス・経営
- 感想投稿日 : 2015年9月3日
- 読了日 : 2015年9月3日
- 本棚登録日 : 2015年9月3日
みんなの感想をみる