狸ビール

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 8
感想 : 3
5

すっかり伊藤礼にはまっている。。。

碁の前は、いや、碁の途中にも?猟をしていたのか!と驚いてしまう。
伊藤整の「日本文学盛衰史」は途中で挫折したが、このままでは、礼さんが書いた伊藤整の評伝まで読んでしまいそうな勢いだ。

いや、その前に、チャタレイ婦人か。いや、こぐこぐ自転車か。

ともあれ、狩猟を辞めてから、狩猟について回顧して書かれたエッセイ。猟犬との交流や、マタギとの交流。生き物との駆け引きが描かれているのだが、視点がチャーミングで面白い。

もちろん、血は流れるし、生き物は死ぬのだけれど。征服みたいな視点は皆無だ。むしろ、このエッセイを読むと人間が生態系の一部であることがわかる。おおげさにいえば。

けれど、礼さんが狩猟を辞めたのは、獲物がいなくなったから、つまりは、生態系が崩壊したからで、それがいまから20年ほど前。
かなしくなる。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: エッセイ
感想投稿日 : 2011年12月14日
読了日 : 2011年12月14日
本棚登録日 : 2011年12月14日

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