(033)月 (百年文庫)

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itsujiさん 9・文学   読み終わった 

≪県立図書館≫

「フィリップ一家の家風」
実に素朴で、愚直でシンプルで見栄をはらない生き方だ。
その生き方は、愚かで学がなく、知恵のないようにも見えるだろう。
その姿は、みすぼらしくちぐはぐで、汚くすら見えるかもしれない。
それでもフィリップたちからは、どこか心地のよい気楽さを感じる。
彼らの気負わぬ素直な姿には、やすらぎを見出すことができる。
気どって誰かを蹴落としたりしなくたって、人は豊かに生きていけるのだ。

「老人」
あれ?
月は?
ひと月ふた月、の月かな?
毎月、こうやって生きている老人。
そういうことかな?
それにしても、これを読むと、最近の年寄りは実に元気だ、と思う。
リルケの時代の年寄りの描写は、まるで90を超えた人のようだ。
いや、もっと上かな・・・
でも、今はこういった老人たちは、病院や施設にはいっているだけなんだろうな。
実はたくさんいる。
そんな気がする。

「帰還」
苦しい生活の中で人間の心が弱ってゆく。
その心の隙を埋めるために、誰かが必要になる。
それはイワノフであっても同じだったろうに、許せない。
双方の気持ちは、よくわかる。
そして、その狭間で震える子どもたちが、切ない。
家族は離れちゃいけない。
私は、やはりそう思う。

レビュー投稿日
2019年7月15日
読了日
2019年7月16日
本棚登録日
2019年7月15日
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