「洲崎パラダイス」
なんてダメな女とダメな男なんだろう。。。
人がどんどん通り過ぎてゆくお店。
おかみさんの感じる、わびしさというか、空白というか、悲しさというか。
なんて上手に描くんだろう、この著者は。
それぞれの心の動きが、まるで自分が感じているかのように読み進めることができた。
皆の気持ちが、わかる。
切ないなぁ。
「黒縮緬の女」
粋な女だ。
流石。
男遊びも金の使い方も別れ際も、ためらいがない。
スリの手際もさぞ鮮やかだろう、と想像できる。
彼女にしたら、この若造はおもしろいおもちゃだったのだろう。
早めに手を引いて、正解。
若いわりに、危機管理能力が抜群だ。
「行く雲」
女の嫉妬や憎しみが、徐々に形を変えていく。
最後には悲しみと、諦めに似たような感情に変わっていく。
そして、女礼は逆に、女の複雑な感情に目覚めてゆく。
やはり、浮気だの不倫だのは、後々よい結果を残さない。
自分はいいかもしれない。
しかし、周りを長く傷つける。
最愛の娘すら、傷つけてしまうのだ。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
9・文学
- 感想投稿日 : 2019年9月21日
- 読了日 : 2019年9月26日
- 本棚登録日 : 2019年9月21日
みんなの感想をみる