子 (百年文庫)

  • ポプラ社 (2015年1月2日発売)
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本棚登録 : 36
感想 : 8
4

「大根の葉」
映画を読んでいるような気分がした。
健の思いも、母の思いも、それを見守り支える周囲の人たちの気持ちや考えも、切ないほど感じた。
壺井栄、素晴らしいなぁ。
大根の葉は、辛いね。
でも、滋味深い、ね。

「出産」
読みやすいし、なんて面白いのだろう、と、笑って読んだ。
妻の初めての出産に、慌て驚きソワソワする様子が、微笑ましい。
最後の疑問の部分は、私もずっとそう感じている。
子供を産んで、育ててきた今も、心のどこかにこの疑問を持っている。
子供のために産んだのではない。
私の幸せのために、私のエゴで産んだのだ。
だから、精いっぱい子供を幸せにしてあげたい。
それが、子供に対するお返しであり、礼儀であり、義務である、と、私は思っている。


「子を護る」
田舎での生きづらい生活が感じられた。
「苦しさ」が、じわじわとにじみ出ているような作品だった。
時代背景についてより詳しい知識があれば、また違った感覚で読めるのかもしれない。
子を護りたい、未来を護りたい。
しかし、その方法は手探りで、己の力を確信できない。
そんな心の苦しみや、閉塞感も感じることができた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 9・文学
感想投稿日 : 2020年10月8日
読了日 : 2020年10月10日
本棚登録日 : 2020年10月8日

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