三島由紀夫 悲劇への欲動 (岩波新書 新赤版 1852)

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  • Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004318521

作品紹介・あらすじ

「悲劇的なもの」への憧憬と渇仰。それは三島由紀夫にとって存在の深部から湧出する抑えがたい欲動であった。自己を衝き動かす「前意味論的欲動」は、彼の文学を研ぎ澄ませ昇華させると同時に、彼自身を血と死へ接近させてゆく。衝撃的な自決から半世紀。身を挺して生涯を完結させた作家の精神と作品の深奥に分け入る評伝。

感想・レビュー・書評

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  • 三島由紀夫ってどんな人だったんだろう?と思って読んでみた。
    三島の生涯と作品がコンパクトにまとまってて良かった。
    「悲劇的なもの」「身を挺する」をキーワードに三島の生涯を見ていくと、色んな面で腑に落ちた。
    しかし、分かった気になって安易に三島について語ると誰かに怒られそうである。

  • 前意味論的欲動という概念を掲げて、三島由紀夫の生涯をバランスよく捉えていると感じた。

    没後50年経っても三島が色褪せないどころかますます存在感が増している理由が、この本を読んでよくわかった。

  • 今年三島由紀夫没後50年を迎えるから

  • きっとそういう見方もできるのだろう。
    きっともっと芯は別にあるのでは。
    といった感じ。

    館長だとこうなのかな。
    こうだから館長なのかな。
    とも感じた。

    かと言って自分には芯が何なのかはっきりとはわからないが、精神心理学的な切り方が有効ではなかろうかと控えめには思う。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/745758

  • 一冊だけで理解したかったら、現代ではこの一冊。
     文筆以外にこれだけ色々な事に手を出したのは、自分への劣等感の現われか?
     昭和天皇が人間宣言をし、アメリカの配下に下ったことに憤慨し、天皇殺戮を計画するもかなわず、自衛隊決起を促して自死に至った。今後全集を読み解くのに必要な知識が得られた一冊。

  • 筆者は近畿大学文芸学部教授
    三島由紀夫文学館館長

  • 一次資料・二次資料を元にした三島由紀夫評。

    作品というよりも、三島由紀夫その人の全てが身ぐるみ剥がされて見聞されるような印象を持った。

    辛いし恐ろしい。少しだけ憧れる。

  • 三島由紀夫の作品と人生を、「前意味論的欲動」というキーワードを軸に辿る。このキーワードで十分に論じ尽くされていたかには少し疑問も残るが、新書の限られた紙幅の中で、コンパクトでありながら深く三島の仕事と生き方を語って説得力があり、とても面白かった。
    著者は三島由紀夫文学館の館長で、全集の編纂にも携わった三島研究のエキスパート。その知見と考察が短い中にぎゅっと詰まっていて、読み応えのある新書だった。

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